夕方の西の空


今週は夕方の西の空に注目です。
まず7月1日(水)、 金星と木星が西の空で最接近します。昨日や今日でも、西の空を見ると明るい星が2つ、すぐ近くに並んでいます。それが水曜日には、角度の20分まで近づきます。1度の1/60を、1分といいます。20分というと1/3度ですね。満月の大きさが30分ぐらいです。ですから、満月の中に金星と木星が入ってしまう近さなのです。天体望遠鏡で見ても、倍率が100倍程度なら2つ同時に見えます。100倍で見ると木星の模様や金星の形がわかります。


約100倍の天体望遠鏡で見た金星と木星
これは正立像の望遠鏡の場合です。
光学系によっては、180度回転していたり、左右が逆の場合があります。


スマホアプリのiステラなど、天体アプリがあれば、7月1日20時の西の空を見てみてください。西の空にしし座があって、その下に金星と木星という字が重なっています。 すぐそばにくっついているので、文字が重なってしまってます。金星と木星を画面の中心に置いて、どんどん拡大してみてください。金星と木星が画面の端と端にいくまで、思いっきり拡大してください。
そうすると、金星と木星の形がわかるようになります。多くの天体アプリは、拡大すると惑星の形や模様まで出てきます。100倍の天体望遠鏡で見ると、だいたいその状態と同じぐらいの範囲が見えます。画面で見るより、実際に望遠鏡を覗くともっと大きく見えます。木星の周りには衛星も見えます。
100倍で木星の縞模様も見えるし、衛星も見えます。
金星と木星を別々に見るなら、いつでも見られますが、ふたつの惑星が天体望遠鏡で一緒に見えるというのは滅多にないことです。


パンスターズ彗星(C/2014 Q1)
7月15日の位置

それともうひとつ、7月の夕方、西の空に見えるものがあります。
パンスターズ彗星(C/2014 Q1)というほうき星が、西の空の低いところに見えます。7月初めから下旬にかけて、地平線ぎりぎりぐらいの低いところを、北西から西へと、毎日少しずつ移動していきます。明るさは2等か3等星ぐらいになるはずです。それなら肉眼で楽々見えるはずなのですが、まだ夕焼けが残っている明るい空にしか見えません。赤や青に染まる夕方の空なので、肉眼では見つかりません。
双眼鏡で探すと見えるかもしれません。双眼鏡を持っていて、どこにあるか、位置がわかっていれば見つかると思います。でも、栃木県は多くの場所で、西側は山ですよね。西の空の低いところなので、山の陰に入ってしまいます。そういう意味で難しいかもしれません。
せっかくの明るい彗星なのに残念ですが、双眼鏡をお持ちの方は、栃木県庁の最上階など、西が開けた高いところに上って探してみてください。暗くなる前の夕焼けの残る空ですから、街の光は関係ありません。







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