球状星団

8月も終わりに近づいて来たこの時期、夏の星座もだんだん西に傾いてきます。夏の代表的な星座のさそり座は、22時を過ぎる頃、沈んでいきます。
でも、夏の大三角あたりの空の高いところを通る星座は、10月ぐらいまでは見えます。

今日の星のお話は、さそり座やいて座にたくさんある球状星団という天体についてです。大型の天体望遠鏡で見ると、とてもきれいな天体です。天文台にあるような大きい望遠鏡でないと見えない天体というわけではありません。小型の望遠鏡でも見えますが、観たときに「美しい!」とは思えないかもしれません。

球状星団というのは、1万個から百万個以上の星がぎっしり球形に集まっている天体です。球状星団を構成する星は、どれも歳をとった星で、天の川銀河ができたのとほぼ同じ頃にできたようです。地球が太陽の周りを回っているように、球状星団は天の川銀河の中心の周りを回っています。どうして球状星団という天体ができたのか、まだよくわかっていません。謎の多い天体なのです。

それを望遠鏡で見ると、どう見えるかというと...  たくさんの星が球形に集まっていて、周辺はまばらで、中心にいくほど星の密度が高まります。ですから、周辺は1個1個の星が分離して見えますが、中心付近は星が重なり合って、全体が白く光って見えます。大きい望遠鏡で見ると星の大集団として見えて、すごくきれいです。



M13


代表的な球状星団として、北半球から見える一番大きなものはヘルクレス座にあります。ヘルクレス座は、天頂を超えて少し西に傾いたあたりにあります。ヘルクレスのお腹のあたりにM13という天体があり、それが北半球で見える一番大きな球状星団です。いて座にもM22という大きな球状星団があります。

一般の人が球状星団を見たいときは、どうしたらいいでしょう?
こども総合科学館などの公共天文台で観測会があります。そのとき、M13が見たい! とリクエストしてみてください。大きい天体望遠鏡で見ると見応えのある天体ですから、きっと、リクエストに応えてもらえると思います。








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