家庭用プラネタリウム

今日(2015.8.30)は満月です。従って、ここ数日は月が明るくて星が見えません。そこで今回は、プラネタリウムの話にします。

最近、プラネタリウムに行きましたか?  最新のプラネタリウムはすごいですよ!

大平貴之さんという人がいます。この方が、15年ぐらい前だったと思いますが、プラネタリウムに革命を起こしました。何が変わったかというと...
昔のプラネタリウムは、投影できる星の数が1万個程度でした。肉眼で見える星の数は、北半球・南半球すべて合わせて9000個ぐらいですから、1万個の星が投影できれば十分と考えられていました。ところが大平さんは、150万個もの星を投影できるプラネタリウムを作りました。「メガスター」という名前です。これが世界中の人々に絶賛されました。



古くからあるタイプのプラネタリウム投影機の例


1万個で十分なのに、150万個もの星を投影したら、空が星だらけになってしまうと思いますか?
目に見えない暗い星まで投影しているのですが、暗い星はプラネタリウムの中で見ても、目には見えない明るさになっています。せっかく投影しているのに、見えないのでは意味がないと思いますよね。でも、意味があるのは、天の川です。本物の天の川は、目に見えない暗い星がたくさん集まって、全体がうっすら光っています。メガスターは本物と同じように、天の川を1個1個の星で表現しました。
それまでのプラネタリウムは、どうやって天の川を表示していたかというと...
星を投影する部分とは別に、天の川を投影する装置をつけて、光の帯として表示していました。でもそれだと、天の川が全部同じ明るさになってしまいます。本物の天の川は、濃いところと薄いところがあるし、川の中心が濃くて、川岸の方は薄くなっています。メガスターはそれが表現できました。さらに、プラネタリウムに双眼鏡を持って行くと、肉眼では見えない暗い星まで見えます。そこも本物の星空と同じになったわけです。
大平さんが作るメガスターは、現在は2000万個以上の星を投影しています。もちろん、適当な位置に星を出しているわけではなく、暗い星まで含めて、すべて実際の星空と同じ位置に星があります。


MEGASTAR-Ⅲ FUSION (かわさき 宙と緑の科学館)


家庭用プラネタリウムというのもあります。
大平さんがメガスターの技術を使って、おもちゃメーカーと共同で家庭用プラネタリウムを作りました。「ホームスター」という名前です。こちらも画期的な商品で、世界中で100万台以上売れています。現在は用途によって、いろいろなバリエーションのホームスターがあります。それらは、家の天井や壁に星を映せます。肉眼で見える星はすべて表示されるし、星の位置や明るさが正確で、天の川も暗い星の集まりとして表現されています。そして、日周運動で星が動きます。
寝室の天井に映しながら寝ると、いい夢が見られると思いますよ。


初期型ホームスター







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