食変光星


変光星といって、明るさが変わる星があります。星の明るさが変わる理由はいくつかありますが、今回は食変光星というタイプの星の話です。これは、必ず2個以上の星が1セットになっている連星です。明るい星の周りを、暗い星が回っていると考えてください。その軌道面がちょうど地球の方を向いていると、明るい星の前を暗い星が横切ります。日食のようなことが起こるわけです。ふだんは、2つを足した明るさの星として見えていますが、暗い星が明るい星の前に来ると、暗い星だけが見えて全体として暗くなります。星は一定の速さで回っているので、周期的に暗くなります。

簡単に見つけられる食変光星は、ペルセウス座にアルゴルという星です。
この時期は、北極星の上にカシオペア座があって、ペルセウス座はその東側にあります。アルゴルは北極星ぐらいの明るさの星なので、スマホを片手に探すとすぐ見つかります。


アルゴルは69時間ぐらいの周期で、2.1等から3.4等まで暗くなります。肉眼で見て、明るさが変わるのがわかります。一番暗くなる時刻の2時間前ぐらいから暗くなり始めて、一番暗くなってから2時間後に元の明るさに戻ります。30分に一度ぐらい見れば、明るさが変わっているのがわかります。4時間見ていれば、暗くなって、また元の明るさに戻るのが見られるわけです。でも、4時間見ているのはたいへんなので、2時間でどちら側か半分が見られます。
暗くなり始める前に、近くにあるどの星と同じ明るさかを覚えておくといいです。アンドロメダ座のアルマクが、ふだんのアルゴルと同じ明るさです。アンドロメダ座のアルマクは近くにあるので、見くらべるのが簡単です。

今週は、一般の人が見やすい時刻に暗くなります。まず、16日月曜日。23時21分に一番暗くなります。約2時間前の21時20分から30分おきに見るといいと思います。もう1回あります。19日木曜日、20時10分です。こちらは、この時刻から30分おきに2時間見ると、暗いアルゴルが元の明るさに戻っていく様子が見られます。

リスナーのみなさんも、明るさが変わる星があることを自分の目で確かめてみてください。



  これ以降でアルゴルが見やすい時間帯に暗くなる日時
     12月 7日(月) 21時59分
     12月10日(木) 18時48分









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