遠い月と近い月


今週26日(木)が満月です。今週は月が明るくて、暗い星が見えません。そのため今回は月の話をします。
皆さんはスーパームーンという言葉をご存じですよね。この言葉は最近よく使われるようになりました。月が地球に最も近いときに満月になって、ふだんより大きな満月が見られることをそう呼びます。今年は、中秋の名月がスーパームーンだったので話題になりました。
月は約1ヶ月で、地球の周りを1周します。その軌道が少し楕円形なので、1ヶ月の間に、月が近いときと遠いときがほぼ1回ずつあります。ですから、大きい月と小さい月は、2週間ごとぐらいに交互に見られます。でも、満月ではないときは、スーパームーンとは呼びません。今月、大きい月が見られるのは、あさっての24日(火)です。この日の月齢は12、満月の少し前です。そして次に小さい月が見られるのは、 来月の5日(土)です。このときは月齢23なので、夜中頃に昇ってくる下弦近くの月です。

ところで、大きい満月はスーパームーンと呼んで話題になりますが、小さい満月の呼び名って、あるのでしょうか?
「マイクロムーン」という言葉があります。でも、スーパームーンほどには広まっていません。そもそも、それらの言葉は、天文学の用語ではありません。星占いに由来する言葉です。さらに、比較的最近、1979年に占星術師のリチャードさんが作った言葉だそうです。昔からあった言葉ではないのですね。確かに私が子供の頃は、スーパームーンなんて知りませんでした。
また、スーパームーンとか、惑星直列になると、地震などの天災が起こるといううわさが流れることがあります。でも物理学的には、それらが地球に及ぼす力は、無視できる程度の小さなものです。


月が大きいとか小さいとかと言われても、肉眼で見て、違いはわかりませんね。実はこのように、けっこう違うのですが、比較の対象が近くにないとわかりません。違いがわかるようにするには、天体望遠鏡で月を見ます。適当な接眼レンズを選ぶと、月がちょうど画面いっぱいに見えるようにできます。そうすると、時によって月が画面からはみ出す、はみ出さないで、月の大きさが変わることがわかります。








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