今年の天文現象


今年の主な天文現象についていくつかお知らせします。
まず今月、カタリナ彗星という比較的明るいほうき星が北の空に見えます。見えますと言っても、肉眼ではかすかに見えるかどうかで、彗星らしい姿を見るには双眼鏡が必要です。
カタリナ彗星は、今日、すでに見えています。今はうしかい座のアークトゥルスの近くにあって、6等星ぐらいです。星の6等星ならなんとか肉眼で見えますが、彗星のようにぼーっと広がった6等では見えません。双眼鏡が必要です。双眼鏡を使えば今月いっぱいぐらいは見えると思います。
今はうしかい座にありますが、北斗七星の方に向かって移動していきます。17日前後が一番よく見えます。

それ以外では、3月9日に日食があります。日本では部分日食で、太陽の2割ぐらいが欠けるだけです。2割でも、日本で日食が見られるのは久しぶりですね。日本ではわずかな部分日食なのですが、インドネシアあたりまで行くと皆既日食が見られます。通称、日食ハンターが大勢出かけていきます。インドネシア日食観測ツアーがいくつかの旅行会社で企画されていますが、どれも満席になったようです。

そして、5月下旬には火星が地球の近くにやってきます。火星は2年2ヶ月周期で地球に近づきます。今年は2年前より、少し距離が近いのでより大きく見えます。

今年の流星群ですが、お盆の頃見られるペルセウス座流星群は、半月過ぎの月がありますが、月が沈んだ夜半過ぎにたくさんの流星が見えるはずです。12月のふたご座流星群は満月です。残念ながら、明るい流星だけしか見えません。


5月31日の地球と火星の位置
地球と火星は反時計回りに太陽の周りを公転しています。
この日に両者の距離が最も近くなります。

お正月にも流星群があります。しぶんぎ座流星群というのがあって、今夜と明日の夜見えます。「しぶんぎ座」というのは知らない星座だと思いますが、昔あった星座で現在はありません。でも、昔からの呼び名でそういうふうに呼ばれています。現在のうしかい座とりゅう座の間あたりです。
明日(1月4日)の夕方、北の空を見ていると、下から上に飛ぶ流星が見られると思います。それがしぶんぎ座流星群です。


下の図は、1月4日午後6:30の北の空です。ちょうど地平線ぎりぎりのところにある「# しぶんぎ座」の#マークのところが放射点です。ここから流星が飛び出してくるように見えます。







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