ヒアデス星団食


今日のお話は、「ヒアデス星団食」。
これはどういう現象なのかというと、ヒアデス星団の星が月の後ろ側に隠されます。
月の通り道に恒星があると、星が月の後ろ側に入ってしまいます。この現象を「星食」とか「掩蔽(えんぺい)」といいます。暗い星まで含めれば、常に星食が起こっているわけですが、小型の天体望遠鏡でも見られる明るい星の星食は、めったに起こりません。明日、14日 月曜日ですが、 ヒヤデス星団の星食が起こります。

ヒアデス星団というのは、「すばる」の近くにある大きな星団で、おうし座の牛の顔にあたるところです。星団としては、比較的明るい星が広い範囲に散らばっています。アルデバランという一等星もあります。

明日は西の空に、月齢5の月が出ています。三日月と半月の中間ぐらいです。この月がヒアデス星団の中を通過して、星を次々に隠していきます。天体望遠鏡で月を見ると、月の欠けて光っていない側もうっすら見えています。これを地球照と言います。
20時40分頃に月を見ると、近くに明るい星が何個か見えます。月の欠けている側にある星が、その後、月に隠されていきます。星食が何回も続けて見られるわけです。特に明るい星では、21時04分に、おうし座のθ1星(4等星)が、月の暗い側に入って消えます。21時46分に、5等星が同じように、月の暗い側に入って消えます。そして1時間半後ぐらいに、明るい側から現れます。
今回星食になる星は、月の欠けていて暗い方から月の裏側に入ります。天体望遠鏡で見れば、月の暗い側も、うっすら見えますから、星が隠れる瞬間が見やすいと思います。


月はこの後、左上方向に動いていく


ヒアデス星団食を肉眼で見るのは難しいと思います。目のいい人なら、4等星が隠されるのが見えるかもしれませんが、普通は天体望遠鏡で見ないと無理です。双眼鏡では、2つか3つの星が隠されるのが見えるかもしれません。

天体望遠鏡や双眼鏡がない場合は、ヒアデス星団の端にアルデバランという一等星があります。 これは月のそばでも肉眼で見えます。日付が替わった15日の0時半頃、月がアルデバランのすぐそばをかすめて通ります。栃木県から見ると、ギリギリで月に隠されないのですが、0時から1時ぐらいまでの間、見ていると、月がすぐ横をすり抜けていくが見られます。月は東に向かって動いている、ということがわかります。
月が星座の中を東に向かって動いて行くというのを、直接見る機会はあまりありません。起きていられる方は見てください。








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