半影月食


今日は春分の日です。休日になるはずですが、日曜日なので、明日が振替休日です。春分の日というのは皆さんご承知の通り、昼と夜の長さが同じになる日です。一般にはそれだけかもしれませんが、天文学では、春分の日というのはとても重要な日なのです。

どういう意味で重要な日なのでしょう?
昼間、空に太陽が出ていますが、太陽の向こう側にも星があります。太陽がまぶしいので見えないだけです。iステラなどのスマホアプリを太陽の方に向けると、太陽の向こう側にある星座が見られます。春分の日の太陽の向こう側にはうお座があります。
春分の日に太陽がある位置を、「春分点」と言います。春分点はうお座の中にあります。この春分点が天体の位置を決める基準になります。春分点は地球で言う経度と緯度が、どちらも0度になる点です。春分の日というのは、天文学では祝日にするほど大切な日なのです。

話は変わりますが、今週、見ておきたい天文現象は、23日水曜日の半影月食です。半影月食というのはどういう現象なのでしょう?




地球も物体なので、太陽の反対側に影ができます。地球の影は二重になっています。中心に「本影」と呼ばれる濃い影があって、その周りに「半影」という薄い影ができています。今回は半影の方の薄い影の中に、月が入る月食です。それも、月全体が半影に入るわけではなくて、最大で上の図の程度です。肉眼では、月の明るさの変化がわかりにくいと思います。一般の人が見ても月食だとわからないでしょう。いつもの満月よりちょっと暗いかな? と感じる人はいると思います。その程度なのです。
私も以前、半影月食の日だということを忘れていて、満月を見上げたとき、「今日の満月はいつもより暗いなぁ」と思ったことがあります。調べてみたら半影月食中でした。半影月食というのは、星好きな人でも忘れるくらいのもので、見て美しいというものではありません。でも、多くの皆さんに、「今日の満月は、いつもより暗いなぁ」と感じていただくのもいい経験だと思います。

  半影月食の始まりは    18時37分ごろ
  食の最大は         20時47分ごろ
  欠け終わりは        22時57分ごろ です。

欠け始めはほとんどわかりませんので、月が高くなって、欠け具合が最大になる21時前ごろと、半影月食が終わった後の23時頃に月を見ると、明るさが違うのがわかります。








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