金星


今日は金星の話です。
金星は夕方の空に一番星として見える星で、「宵の明星」と呼ばれています。でも、今は夕方の西の空にはありません。今は明け方の東の空の方にあって、「明けの明星」として見えています。
金星は、「星」として見える天体の中では、一番明るい星です。

金星は地球のすぐ内側を回っている惑星です。金星が明るいのは、地球の近くにあるからという理由もありますが、金星の表面は、すべて厚い雲に覆われていて、その雲が太陽の光を良く反射して明るく輝いています。
全部が雲に覆われているということは、天体望遠鏡で見ても、模様が見えないわけです。白く光っているだけで、模様は見えません。

そもそも、金星ってどんな惑星なのでしょう?
大きさや密度が地球に近い惑星で、「地球型惑星」と呼ばれています。地球と金星はよく似ている兄弟星です。ところが・・・

金星の地面の温度は450度から500度あります。そして、大気の大部分は二酸化炭素です。雲は二酸化硫黄でできていて、硫酸の雨を降らせます。でも地表はあまりにも熱いので、雨は途中で全部蒸発して、地面には届きません。兄弟星といいながら、全然違いますね。
確かに現在の地球とは全然違います。でも、地球も生まれたての頃は、金星と同じだったと考えられています。地球には液体の水があったため二酸化炭素は水に溶けて、さらに炭酸塩になって、岩石の中に取り込まれました。そして、植物が生まれ、二酸化炭素を吸収して酸素ができました。それで現在の地球は、二酸化炭素が少なくなって酸素が増えました。
水があって、生命が生まれたということが、地球にとってすごい変化をもたらしたわけです。

現在の地球は、二酸化炭素が増えて、温暖化していると言われていますが、金星は、大気の大部分が二酸化炭素ですから、温暖化の極みなんです。それで地表の温度が500度なんて、すごいことになっているのです。金星よりも太陽に近い、水星の表面温度の平均が180度ぐらいですから、二酸化炭素の温室効果がものすごいのです。

それ以外で金星の大きな特徴は・・・
他の惑星とは逆方向に自転しています。金星では、太陽は西から昇って東に沈みます。さらに、金星の自転周期は243日です。金星の1日は、地球で言う243日間、続くわけです。金星というのはすごい世界ですね。

金星については、わからないこともたくさんあります。日本が打ち上げて、去年の12月に金星周回軌道に入った惑星探査機の「あかつき」。今月から本格観測に入ります。あかつきがそれらの謎を解明してくれることを期待しましょう。
「あかつき」からどんな情報が送られてくるか、楽しみですね。


宇宙科学研究所 「あかつき」サイトより








戻 る