火星


金星・木星と惑星の話が続いて、今回はさらに火星です。

火星は、2年2ヶ月ごとに地球に近づいてきて、大きく明るく見えるようになります。今年がその年になります。火星と地球の距離が一番小さくなるのは5月31日です。でも、今でも十分地球に近づいているので、大きく明るくなっています。

今の火星はさそり座の中にいます。さそり座の一番明るい星はアンタレスという名前の赤い星ですが、このアンタレスという名前は、「火星に対抗するもの」という意味です。現在の火星はアンタレスのすぐ上にあります。
今夜は夜中の0時か、それ以降に見やすい位置にいます。0時の南東の空に火星とアンタレスがあって、近くに土星もいます。火星と土星とアンタレスが三角形に並んでいます。今夜は月齢10の明るい月が出ていますが、その3つの星は月が明るくても必ず見えます。



ところで、火星というのは、どういう惑星なのでしょう?
火星も、地球型惑星という分類です。でも、大きさは地球の半分ぐらいしかありません。地球と同じように岩石でできた地面があって、それが風化した小石や土で覆われています。少なくとも、地表に水はありません。でも、地下にある可能性はあります。地球でいうと、岩が多い砂漠のような世界です。
火星探査機が送ってきた火星の地上の写真を、見たことがあるのではないでしょうか。ほんとに地球の砂漠と同じだったと思います。全体に赤っぽかったですね。
火星の地面には大量の酸化鉄があります。赤さびです。火星が赤いのは、さびた鉄の色なのです。薄いですが大気はあります。でも、大気の95%は二酸化炭素で、酸素はほとんどありません。気圧は地球の1/100以下しかありません。さらに、火星の大気は少しずつ、宇宙空間に流失し続けていることが最近わかりました。長い年月のうちには、大気がなくなってしまう可能性もあるわけですが、火星が生まれてから、すでに40億年以上の長い年月が過ぎています。それでもまだあるわけですから、当分なくなることはないでしょう。でも、今後、大気の成分や気圧は、変化していくのでしょうね。
みなさんも、そんな火星の世界を想像しながら、赤い火星を見上げてみてください。


NASAの火星探査機が撮影した火星の表面








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