かみのけ座・りょうけん座


新緑の季節になってきました。この時期、夜半前は春の星座が見られ、夜が更けてくると夏の星座が昇ってきます。そんな中で、今回注目したいのは、かみのけ座とりょうけん座という星座です。今日の21時頃、天頂付近に見えます。そういう名前の星座があるのはご存じでしたか?

ふたつとも小さな星座で、明るい星がなくて、見つけにくいです。一般には、知られていない星座なのだと思います。でも、大きな望遠鏡で星を見たり、天体の写真を撮る人たちは、みんな知ってる有名な星座です。そこに何か、有名な天体があるのです。

その2つの星座がどのあたりに見えるのか、確かめておきましょう。下の図は、今日の21時の南の空です。


5月8日 21時の星空


おとめ座がちょうど真南にあります。その上にかみのけ座がありますが、明るい星がありませんね。かみのけ座のさらに北側を見ると、天頂を超えてしまいますが、りょうけん座があります。北を向いて見ると北斗七星の南側になります。おとめ座と北斗七星の間のあまり星のないところに、このふたつの星座があります。

明るい星はありませんが、かみのけ座の中に、暗い星がたくさん集まっているところがあります。そこは散開星団です。太陽系に近いところにある星団なので、大きく広がって見えます。かみのけ座という星座名も、そこを女性の髪の毛として見て、そういう星座名になったのだと思います。

かみのけ座にある有名な天体というのは、これではなくて「銀河」です。かみのけ座とりょうけん座、それと両側にある、おとめ座・おおぐま座を含めて、そのあたりにはたくさんの銀河があります。銀河を見たいときは、その方向を見ればいいわけです。
天文ファンにとって、春は銀河の季節です。いろいろな形をした銀河がたくさん見られます。でも、春の夜空に見える銀河は、どれも小さくて暗いものばかりです。ですから、星に詳しい人が大きな天体望遠鏡を使わないと見られません。。天文ファンではない人には難しいですね。
でも最近は、反射鏡の直径が30cmある望遠鏡が10万円ぐらいで買えるようになりました。初心者がそれを最初から使いこなすのは、ちょっと難しいですが、10万円で春の銀河が見られるのはすばらしいことです。春の空の銀河を見るためのハードルが、低くなったわけです。



春の夜空に見える銀河たち
(その中のごく一部です)








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