火星と彗星


今回は火星の話と、パンスターズ彗星というほうき星の話です。
まず火星ですが、今、地球に近づいて来ています。今週5月31日に最接近します。この日の火星が一番大きくて明るく見えます。・・・とはいっても、その前後1ヶ月ぐらいは、見た目には、明るさも大きさもほぼ同じです。火星が大きく見えるのは、31日だけということではありません。7月いっぱいぐらいまでは、火星が観測しやすい時期と言えます。

今夜(2016.5.29)22時の南の空を見ると、南の空の低いところにさそり座があります。さそり座とてんびん座の間に火星があります。すぐ近くに土星もいます。さそり座にアンタレスという赤い1等星がありますが、土星はアンタレスよりも明るくて、火星はさらに明るく輝いています。南の空を見て、一番明るい星が火星です。


2016.05.29 22時の南東の空


火星の拡大画像 (撮影:内藤峰夫さん)
自転によって、見える模様が変化していく


その火星を見たいわけですが、小型の天体望遠鏡だと、倍率は最高150倍ぐらいです。その倍率なら見えるには見えますが、視力検査をやっているみたいで、小さい丸の中にやっと模様が見える感じです。ですから、天文台に行って大きな望遠鏡で見られるといいですね。こども総合科学館などでも火星の観測会があるでしょうから、そういうときに行って、見たらいいと思います。


もうひとつの話のパンスターズ彗星ですが、彗星としては比較的明るいものが来ているます。明るいと入っても、残念ながら肉眼では見えないと思います。明るさは6等星ぐらいで、それでも彗星としては明るい方です。双眼鏡があれば見えます。

彗星の場所を確認しましょう。パンスターズ彗星が見られるのは明け方です。今は夜が明けるのが早いですから、明け方の3時の南東の空を見てみましょう。
南東の空には、みずがめ座があります。水がめを持っている少年の左足の膝のあたりです。そのあたりを拡大すると、スカトという星があります。そのあたりです。今夜(2016.05.30)は、月が近くにあります。今夜は月の光がじゃまで見えないと思います。明日以降がいいです。


2016.05.30 未明のパンスターズ彗星の位置


彗星は毎日、少しずつ動いていきます。現在は、西に向かって少しずつ動いています。これから10日間で、上の星座の絵で、左の膝から足先あたりまで動きます。
天体望遠鏡や双眼鏡をお持ちの方は、パンスターズ彗星も探してみてください。


 







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