さそり座


今日はさそり座についてのお話です。
さそり座というのは有名な星座ですが、星座全体の姿を見るられ機会は少ないのです。南の低いところにあるので、一番下の星まで見られるのは南中前後の4時間ぐらいだけです。南中した時でも、南に山や建物があると、陰になって見えません。さらに一般に人にとって、さそり座が一番見やすいところに来るのは6月です。梅雨で晴れないということもあるのです。
では、今夜晴れたとしたら、さそり座がどのあたりに見えるのか、下の図が22時の星空です。バックにある白い部分が天の川。



さそり座が全部昇っています。さそり座のあたりに、惑星が2つあります。火星と土星です。火星は数日前に地球に最接近したところですから、かなり明るく見えていて、今は-2等星になっています。土星も0等星ですから、明るく見えています。土星の下には、アンタレスというさそり座の1等星があります。明るい星が3つ集まっています。火星とアンタレスは赤い星なので、わかりやすいと思います。
今年は火星と土星がいるので、さそり座が賑やかです。でも火星と土星がいると、星座の形がわかりにくくなります。さそり座は数ある星座の中でも、形をイメージしやすい星座なのですが、火星と土星がいると形が崩れてしまします。

さそり座は天の川の中にあります。さそり座のあたりの天の川は、宇都宮市内で見えるかといわれれば、見えません。地平線に近いところにあるので、街の明かりが空を照らして空が明るくなっています。天の川の明るさよりも、空の明るさの方が強いので、天の川が消されてしまっています。
かなり山奥に行かないと見られません。山奥に行っても、南に山があったりすると、その陰になってしまいます。ですから、南の地平線まで見える山のてっぺんか、南側の斜面みたいなところがいいと思います。
さそり座自体を見るのが難しいし、さそり座の天の川を見るのは、さらに難しいのです。残念ながら現在の日本では、さそり座の天の川を見られる場所はかなり限られます。
福島県の南会津町にある、ななつがたけ北天文台なら見えますよ。

 

福島県南会津町 「だいくらスキー場」付近で撮影







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