いかり星


6月といえば梅雨、星空が見られる日は限られます。前回は、この時期に見ておきたい「さそり座」の話をしました。さそり座以外で、晴れたときに見ておいた方がいい星座があります。さそり座は南の空にありますが、北の空も見てください。
iPhoneアプリのiステラで、今夜(2016.6.12)22時の北の空を見てみましょう。



カシオペア座が地平線のすぐ上にあります。カシオペア座は北の地平線すれすれを通り過ぎて、これから昇っていくところです。カシオペア座と北極星を結ぶと、その先に北斗七星があります。カシオペア座と北斗七星は、北極星をはさんで反対側にあります。そのことを覚えておくと、カシオペア座と北斗七星を見つけて、その中間を見れば北極星があるわけです。
北極星は2等星で、それほど明るいわけではありませんが、周りに明るい星がないのですぐわかります。星に詳しくない人が、いきなり北極星を見つけるのは難しいかもしれませんが、北斗七星とカシオペア座なら見つけられそうですね。

ところで、カシオペア座ですが、昔の日本の漁村では「いかり星」と呼んでいました。特に今日の22時頃、その位置にあるカシオペア座が一番いかり星らしく見えます。カシオペア座のWと北極星を結ぶと船のいかりの形になります。宵の夜空にいかり星が上がると、夏になったと感じたのでしょうね。


いかり星


カシオペア座のあたりにも天の川があります。夏の空に見える天の川は、北の地平線近くにあるカシオペア座から、真上にあるはくちょう座を通って、南の地平線近くのさそり座まで、180度つながっています。街の光がなくて空が暗ければ、北の地平線から南の地平線まで、空を横切る天の川が見えます。
180度の空を見るには、山があってはダメなので、平野の真ん中か、高い山の山頂でなければいけません。日本の平野は、街の光で空が明るいので無理です。夜中に高い山のてっぺんに立てれば見えるかもしれませんが、ごく限られた人になりますね。夜中に登山は厳しいです。
海外に行く方が簡単かもしれません。オーストラリアの内陸部の乾燥地帯なら見られます。

 

空を横切る天の川
左端がカシオペア座、右端はいて座
中央が天頂付近にあるはくちょう座








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