七夕


「ベリークラシック・コズミックジャーニー」も、今回で放送開始から5年目に入ります。第1回の話題は七夕でした。それ以降もこの時期には、七夕の話をしてきました。本当の七夕は、今の暦ではなくて、旧暦の7月7日にやらないといけないという話とか、旧暦の7月7日は必ず7日月が出ていて、その月も重要な登場人物であることなど、いくつかありました。

明治時代の初めに、太陰暦から太陽暦に移行したときに、七夕は7月7日のまま、太陽暦にしてしまったのが間違いの始まりです。今年の旧暦の7月7日は、8月9日になります。8月ならば梅雨が明けて、晴れの日が続く時期です。
今の暦の7月7日は、梅雨の真っ最中で、織り姫と彦星を見られる可能性は低いですよね。
雨のときは、織姫と彦星がどうなるのか、という話もあります。雨で天の川が増水して、舟では渡れなくなってしまったときには、「カササギ」という鳥の大群が飛んできます。一羽が川岸に降りると、次々に降りてきて、鳥がつながっていって、天の川に橋を架けてくれるというものです。カササギも七夕の話のキャストです。
七日月もキャストで、織姫か彦星を乗せて、対岸まで渡してくれる舟と船頭さんです。その舟は、織姫と彦星、どちらを乗せて川を渡るのだろう、と考えてしまいますが、本物の天の川を見ると、どうなのかわかる気がします。



織姫と彦星の間の天の川には、中州があります。昔は、星空がきれいで、天の川がはっきり見えていました。中州があることも、現在以上によくわかったと思います。昔の人々は天の川を見て、「織姫と彦星は、それぞれが中州に渡って会えばいいんじゃないの?」って、思ったのではないでしょうか。七日月の渡し舟は、二人を別々に乗せて、中州に渡してくれたのだと思います。
天の川がきれいに見えれば、そういう想像もできますね。現在の暦は月とは無関係なので、7月7日の月がどういう形かは年によって違います。舟の形の月が出ていないと渡し舟がなくなってしまいますし、満月近くだと月が明るくて、そもそも天の川が見えません。

幸い少しずつですが、旧暦で七夕をやるところが増えてきています。
7月7日が晴れなかったら、8月9日にまた、七夕の話を思い出しながら織姫と彦星を見てください。








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