火星・土星・アンタレス


8月は夕方の西の空に注目です。先週の話にあった水星・木星・金星が、今週も日没後の西空の低いところに見えます。でも、先週とは位置関係が違います。続けて見ていると「惑星は動くんだ!」ということが実感できると思います。

水・木・金星は、あまりにも低いところにあったので、見つけにくかったかもしれません。今週はもう少し上にある天体に注目してみたいと思います。下の図は24日水曜日、21時の星空です。21時だと、もう暗くなっています。ちょうど、肉眼で見える一番暗い星まで見えるようになる時刻です。



南西の空を見てみましょう。さそり座が沈みかかっていて、そこに火星と土星があります。火星は5月・6月には、-2等星で明るく輝いていましたが、今は地球から遠ざかりつつあって、0等星ぐらいの明るさです。土星もだいたい同じ明るさです。
赤い方が火星です。それともうひとつ、近くに明るい星があります。火星のすぐそばにアンタレス。アンタレスと火星、土星がだいたい一直星に並んでいます。アンタレスは恒星ですから、位置は変わりません。土星も今週はほとんど動きません。その土星とアンタレスの間を、火星が1週間かけて右から左に横切っていきます。毎日見ていると、火星が動いていくのがわかります。ここでも、惑星は動くんだ! ということが実感できます。

火星とアンタレスが隣り合って、すぐ近くにいるのがおもしろいことです。アンタレスという名前は、「火星に対抗するもの」という意味です。火星のように赤くて明るく輝いている星なので、そういう名前が付きました。アンタレスという名前の由来を知っていると、火星とアンタレスが並んでいることがおもしろいわけです。赤くて明るい星がこんなに近くで2つ並んでいるのは、すごく珍しいことです。そこに土星もいて、土星は名前の通り土のような、ホコリのような黄色っぽい色です。暖色系の星が3つ並んでいるわけです。
この3つの星なら、空が暗くなってからある程度の高さのところに見えるので、だれでも見つけられると思います。








戻 る