中秋の名月


9月に入って、季節は秋ですね。秋といえば、中秋の名月。
旧暦の8月15日が中秋の名月、十五夜ですね。今年は今週木曜日の15日になります。
今週木曜日には、まん丸の月が見られるかと思うと、今年の十五夜は満月じゃないのです。十五夜が満月じゃないって、どういうことなのでしょう?
旧暦、つまり太陰暦は、月の形を基にして作られた暦で、旧暦の15日は月齢15の満月になるはずです。でも、いろいろな理由で、1日か、最大2日ズレることがあります。最大の理由は月の軌道が楕円であることです。今回、満月になるのは17日土曜日の明け方、4時頃になります。今年の十五夜は、実際の月の形と暦の日付が、最大近くズレています。

15日の月は、左側が少しだけ欠けています。15日の夜に見る月は、満月の30時間前ぐらい前です。肉眼で見る分には丸く見えると思いますが、天体望遠鏡で見てしまうと、欠けているのがわかります。
中秋の名月は、肉眼で見て愛でるべきものです。この日は月を望遠鏡で見ないようにしましょう。でも、このことを知っていると、ちょっと自慢できそうですね。15日の夜、家族や友達とお月見をしたとき、そういううんちくを語ると尊敬してもらえるかもしれません。



十五夜は現在の暦の8月15日ではなくて、旧暦でやります。この後、十三夜がありますが、こちらも旧暦です。十五夜に月齢15の月が出ていなかったら、話になりませんから。十五夜を現在の暦の8月15日にやったら、年によって月の形が全く違ってしまいます。

十五夜とか十三夜を旧暦でやるのなら、七夕も旧暦にすれば良かったですね。これまでに何回か、七夕は旧暦でやらないといけない、という話をしました。
明治の初めに太陰暦から太陽暦に換えたとき、さすがに十五夜は旧暦の8月15日にやらないといけないのは、わかったのでしょうが、明治政府に星に詳しい人がいなかったのでしょう。七夕は太陽暦の7月7日にやるようにしてしまいました。それが現在まで続いてしまっているわけです。一度決めてしまうとなかなか変えられませんね。

何はともあれ、9月15日の木曜日、中秋の名月を楽しんでください。








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