銀河 (galaxy)


4月も後半に入り、来週はゴールデンウイーク。そんな時期ですが、今回の星の話は「銀河」です。

銀河・ ・ ・ というのは天の川ではなくて、宇宙の遥か彼方にある「渦巻銀河」の銀河です。ただし、銀河は必ずしも渦巻型というわけではなくて、丸いのやいろいろな形のものがあります。それらが春の星座の中にたくさんあります。
実は、銀河はどの方向にも、だいたい均等に分布しています。でも遥か彼方にあるので、途中に光を遮るものがあると見えなくなります。春の星座がある方向は、宇宙の障害物が少なくて、宇宙の奥まで見渡せるのです。逆に言えば、春の星座以外の方向には、障害物があるということですね。
宇宙にある障害物って、何でしょう?

地球は天の川銀河の中にあるわけですが、天の川銀河の中には星以外に、将来星になる原料の気体や固体の粒子などがたくさんあります。それらは、もっと遠くにある銀河から来る光を遮ります。「星間物質」といいますが、それがたくさんある方向と少ない方向があります。春の星座の方向は、星間物質が一番少ない方向です。「おとめ座」やその上にある「かみのけ座」の方向が、「宇宙ののぞき窓」的な場所です。そのあたりには、無数の銀河が見えます。



そのあたりを天体アプリのiステラで見ると、21時頃、おとめ座、かみのけ座、しし座が南の空にあります。その中に青い楕円マークがたくさんあります。( *注 iステラは画面表示オプションがいろいろあって、「星雲を表示する」設定にした場合です。初期状態では表示されません。) 画面を拡大してみると、楕円形のマークがたくさんあって、それぞれに番号が付いています。それらすべてが銀河です。iステラの画面に表示されているのは、無数にある銀河のうち、小型の天体望遠鏡でも見える明るいものだけです。

天体望遠鏡で見れば、それらが見えるのでしょうか?
見えるか見えないかという話なら、見えます。でも、ものすごく淡くて、ごく小さなちぎれ雲みたいな感じで、図鑑で見るような渦巻き銀河には見えません。それらを見るためには、筒の中に大人がふたり入るぐらいの大きな天体望遠鏡が必要です。銀河はたくさんありますが、よく見えない天体なのです。

どこかで大きな天体望遠鏡をのぞく機会があったら、春の夜空にある銀河を見てみてください。

 M106 他 (写野円は1度)









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