月・木星・スピカ


ゴールデンウイークも今日(2017.5.7)で終わりです。休みを満喫した人、きれいな星を見てきた人、どこにも行けなかった人、いろいろでしょうね。
連休最後の今夜、見ておきたい天体があります。

まず、今夜の夕方暗くなってから、20時とか21時の南の空を見ると月齢11の月が出ています。半月を過ぎて、満月に近づいている月です。月の左下に明るい星がひとつ、さらにその先に、もうひとつ星があります。明るい星は木星、もうひとつはおとめ座のスピカです。月がかなり明るいですが、そのふたつの星は肉眼で見えます。


5月7日 21時の南の空


そして、望遠鏡で見ると、さらにもうひとつ、星が見えます。月のすぐ東側に明るい星があります。
おとめ座γ星「ポリマ」という星で、2.7等星です。月は東に向かって動くので、月がポリマにしだいに近づいていきます。そして、23時28分ごろ、ポリマが月の後ろ側に入ります。月の欠けている側から後ろに入るので、見えている月よりも少し東側で消えます。星が消えたところが、見えてはいませんが月の端なのです。月の光っている部分から、離れたところで星が消えるというのは、ちょっと不思議なのですが、自分の目でそれを見ると、「なるほど・・・」と思えます。
ポリマは、実は二重星です。肉眼や低倍率の望遠鏡で見ても1個の星にしか見えませんが、高倍率にして見ると2個に見えます。ポリマが月に隠される瞬間を高倍率で見ると、わずかな時間差をおいて次々に消えるのが見られます。

5月7日 23時の月とポリマ


星が月に隠されることを「星食」とか「掩蔽(えんぺい)」といいます。ポリマの掩蔽は、望遠鏡で見ないと見えません。望遠鏡を持っている人はそれでいいですが、何もない方は、自分の目で見るしかありません。肉眼では見えないと思いますが、人によって視力がかなり違います。視力が2.0あれば、望遠鏡がなくてもポリマが見えるかもしれません。試してみてください。
それと、裸眼で月を見たとき、月が1個に見えるのが普通ですが、月が数個重なって見える人もいます。月が複数見える人は乱視です。そういう人は、月が1個に見える眼鏡を作った方がいいわけですが、眼鏡屋さんにある機械で、正確に乱視を補正した眼鏡を作るのは難しいです。眼鏡を作るとき、三日月から半月ぐらいの月が出ている夕方、薄暗くなった頃に眼鏡屋さんに行ってください。そして、外に出て月を見ながら、月が1個に見える眼鏡を作るのがいいです。

眼鏡の作り方の話まで書きましたが、それは別にしても、今夜、月と木星とスピカが並んでいる様子を見てみてください。望遠鏡がある人は、ポリマが月に隠される様子も見られます。










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