星団


今日の星の話は、「星団」です。
星団というのは、他の場所よりも星が密集しているところです。偶然ではなく、理由があって星が密集しています。星団には、散開星団と球状星団があります。

まずは、散開星団とはどういうものか。
星も生き物と同じように、生まれて、成長して、やがて死んでいきます。新しい星が生まれるときは、数十個から数百個の星が、1カ所にまとまって生まれることが多くあります。そうすると、狭い範囲にたくさんの星が集まって見えます。これが散開星団で、「すばる」などがそれです。
天の川銀河の中のあちこちで、現在も、新しい散開星団が生まれつつあります。例えば、オリオン座大星雲は、大量のガスが濃く集まっている所です。その中で、今、たくさんの新しい星が生まれつつあります。将来的には、オリオン座大星雲のガスはすべて星になって、大きな散開星団ができることでしょう。


すばる (M45)  写野円3度                オリオン座大星雲 (M45)  写野円1度


一方、球状星団というのは、どういう天体なのでしょう?
散開星団は、多くても数百個程度の星の集まりですが、球状星団は数万個から数十万個の星が球状・・・つまりボール型に集まった星団です。大きな天体望遠鏡で見ると、とてもきれいな天体です。


球状星団 (M13)  写野円1度


散開星団よりも遙かに多くの星の集まりですが、そんなにたくさんの星の集まりは、どうやってできたのでしょうか?
実は、どうしてできたのか、未だに謎の天体です。でも、天の川銀河ができたのと同じ頃にできたと考えられています。天の川銀河ができたのは、約130億年前です。散開星団は新しく生まれた星の集まりですが、球状星団は古い星の集まりです。
同じ星団でも、散開星団と球状星団は、全く違う天体です。

初夏の夜空には、たくさんの球状星団があります。中でも、大きくて小型の天体望遠鏡でも見えるのは、ヘルクレス座にあるM13です。ヘルクレス座は、今夜だと22時頃の東の空に見えます。東の空に「夏の大三角」が昇ってきています。ヘルクレス座はその上です。「iステラ」などの天体アプリで、「星雲星団を表示する」設定にしてみてください。M13というマークがあります。近くにM92という同じマークもあります。M13とM92は、どちらも大きな球状星団で、天体望遠鏡でよく見えます。
ヘルクレス座の南にある「へびつかい座」にも、大きめな球状星団が3つあります。それらは天体望遠鏡で見ないと見えません。球状星団は、望遠鏡が大きければ大きいほどきれいに見える天体です。

大きな天体望遠鏡をのぞく機会があったら、ぜひ見てみてください。











戻 る