最遠の月


6月になりました。6月と言えば梅雨ですね。天体観測には良くない季節です。
天気もそうですが、今週は金曜日が満月。月が満月に向かって、太っていきます。暗い星や天の川は、見られない週になります。星の観察はお休みですが、晴れれば月や土星がよく見えます。
土星はへびつかい座にあります。でも、さそり座の上と言った方が、わかりやすいと思います。今夜23時の南の空に、さそり座がほぼ南中しています。その上の方に土星があります。サソリの毒針の上で、天の川の中にあります。



一方、月の方ですが、最近、「スーパームーン」という言葉がメジャーになりました。1年中で、一番大きく見える満月です。大きく見える満月があるのなら、その逆もあるはずです。1年中で一番小さい満月もあるはずです。実は、今週の金曜日に見える満月が、今年一番小さい満月です。
小さい満月は、スーパームーンに対して、なにか呼び名はあるのでしょうか?
「マイクロムーン」という言葉があります。でも、スーパームーンほどには広まっていません。そもそもそれらの言葉は、天文学の用語ではありません。星占いに由来する言葉です。比較的最近、1979年に占星術師のリチャードさんという方が作った言葉だそうです。言葉ができたのも40年ぐらい前のことだし、一般に広まったのはごく最近です。

金曜日の満月は、肉眼で見ても小さいのがわかルのでしょうか?
残念ながら、わからないと思います。スーパームーンの時の満月と今回の満月を並べて見られれば、明らかに小さいのがわかりますが、どちらかだけを見ても、大きい小さいはわからないと思います。
写真に撮って、並べて見るしかないですね。でも、天体望遠鏡で100倍くらいの倍率で見ると、小さい月は視野いっぱいに見えますが、大きい満月は画面からはみ出ます。天体望遠鏡でいつも同じ倍率で月を見ている人は、月が大きいときと小さいときがあることに気がつくと思います。

今週金曜日、晴れたら満月を見てみてください。小さく見えるかもしれません。










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