土星が衝


6月も3週目に入ります。関東も梅雨入りしましたが、あまり雨が降りませんね。
きれいに晴れなくても、明るい星なら雲の切れ間から見えることもあります。この時期の明るい星というと、夏の大三角が東の空に昇ってきています。ベガ、アルタイル、デネブの3つの星です。きれいに晴れれば、二等辺三角形に並んだ明るい3つの星が目立ちますが、雲の切れ間だとどの星がそれなのか、よくわかりません。

それ以外の明るい星で、今、見ておきたい天体は土星です。今週の木曜日に土星が衝になります。衝というのは、太陽、地球、土星の順で、ほぼ一直線上に並ぶ日です。別な言い方をすれば、土星と地球の距離が一番近くなる日とも言えます。地球から見ると、太陽の反対側に土星があるわけで、太陽が沈むと同時に土星が昇ってきて、太陽が昇ると土星が沈みます。土星が一晩中見られるわけです。そして、距離が近いわけですから大きく見えます。ただ、土星は、地球から遙かに離れたところを回っています。地球と土星の間の距離は、近くなっても遠くても、たいした違いではありません。ですから、衝だからといって、今すぐ見た方がいいというものでもありません。衝になる今週から、8月いっぱいぐらいが土星の見頃といえます。
ちょうど子供たちの夏休みも含まれますね。夏休みには、いろいろなところで天体観測会が行われますから、そういうところに行くと土星が見られます。8月だと20時ぐらいに土星がちょうどいいところにあって、天体観測会の時間帯と合います。

6月11日22時の南の空   満月を少し過ぎた月がでている


土星といえば輪のある惑星ですが、その輪は何でできているのでしょう?
輪は1枚の板のようなものではなくて、氷でできた粒が無数に集まってできています。粒と言っても大きさはいろいろで、粉のように小さなものから、10mぐらいある大きな塊まで、いろいろな大きさの氷が入り交じっています。
氷というのは、水が固まった氷ということで、99.9%純粋な水の塊です。土星の輪を溶かせば、飲み水になるかもしれません。ばい菌は入っていないと思います。逆に、いたら大発見です。



土星の輪は薄そうに見えますが、厚さはどのくらいあるのでしょう?
一番薄いところで10mぐらい、厚いところで1kmぐらいです。土星の直径は12万kmあるので、12万kmに対して1kmですから、すごく薄いものです。

望遠鏡で見ると、はっきりきれいに見える輪が特徴の土星です。どこで天体観測会があるか情報を収集して、土星を見に行ってください。

 









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