惑星状星雲


今日の星の話は「惑星状星雲」です。

惑星状星雲・・・ 木星や土星のような、惑星のように見える星雲ということでしょうか?

たとえば木星は大きな惑星ですが、小型の天体望遠鏡で初めて見た人は、「こんなに小さいの!」と思います。惑星って、天体望遠鏡で見ても、図鑑の写真のようには見えないのです。惑星状星雲も、小さな天体なのかというと、確かに小さいですが、複雑な形をしていて、とてもきれいな天体です。また、元が小さくても、太陽系の近くにあれば大きく見えます。地球から見て、大きいか小さいかは距離の問題なのです。

惑星状星雲というのは、どういう天体なのでしょうか?

まず、太陽という星の話から。太陽は宇宙の中では、ごく標準的な大きさの星で、寿命は100億年ぐらいです。太陽が生まれてから46億年ぐらいなので、寿命の半分です。あと50億年は大丈夫です。でも、星が寿命末期になると、大きく膨張します。太陽も次第に大きくなっていって、地球を飲み込みます。太陽は将来、地球を飲み込むほど大きく膨らむのです。
そうなったとき、太陽表面にあるガスが剥がれて、宇宙空間に飛び散ることがあります。その部分が、シャボン玉のように太陽の周りに広がって、光るようになります。その部分を惑星状星雲と呼びます。

そうすると、惑星状星雲というのは、中心に星があって、その周りに丸く広がっていることになります。確かに、星の表面が均等に剥がれれば、円形・・・というか、球形に広がりますが、ほとんどの場合、そうはいきません。不均等だったり、表面の一部分だけが剥がれたりすると、形がいびつになります。そして、そういう現象が複数回、繰り返されます。そうすると、惑星状宇星雲は幾重にも重なった、複雑な形になります。
惑星状星雲というのは、いろいろな形ができるのです。そしてどれもが、とても美しい姿をしています。ただ、大部分の惑星状星雲は小さくて暗いので、大型の天体望遠鏡で見ないと形まではわかりません。

NGC7293 (らせん星雲)


今夜見られる惑星状星雲はありますか?

みずがめ座の中に、通称「らせん星雲」というものがあります。場所は、水がめを持っている少年の左足のふくらはぎのあたりです。星雲についている番号はNGC7293。iステラなどの天体アプリでは、画面には表示されないものの方が多いです。惑星状星雲としては大きくて、直径が満月の半分ぐらいあるドーナツ型です。双眼鏡でギリギリ見えるはずですが、すごく淡くて、視野に入っても気付かずに通り過ぎてしまうかもしれません。
らせん星雲よりは少し小さいですが、はくちょう座の下にある「こぎつね座」に、「アレイ状星雲」があります。こちらは双眼鏡でも見つけられます。
こと座の中にも、通称「リング星雲」と呼ばれる惑星状星雲があります。こちらは小さいですが明るいので、小型の望遠鏡でも見えます。

惑星状星雲は、満天の星が見える山奥に行って探してみたい天体です。


↑ M27(アレイ状星雲)      ↓ M57(リング星雲)

写真の写野円はすべて1度








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