おうし座流星群


11月になりました。秋も深まり、星がきれいに見える季節になりました。でも、栃木に住んでいる私たちはそうなのですが、日本海側の冬は毎日雪で、星が見える日はほとんどありません。冬に晴れるのは、関東平野のような太平洋側にある大きな平野だけです。そんな栃木県に住んでいる私たちは、星に関しては幸せですね。
ところで、今日の星の話ですが、「おうし座流星群」です。この流星群は出現数のピークらしいピークはなくて、今月下旬ぐらいまでずっと見られます。見られるのですが、1時間に数個しか飛ばないマイナーな流星群です。そんな飛ばない流星群の話をするのは理由があります。

この流星群は、流星の数は少ないのですが、火球の割合が多いのです。火球というのは特別明るい流星のことです。ペルセウス座流星群のように、たくさんの流星が見られる時でも、火球の割合は10個に1個ぐらいです。おうし座流星群は、3個に1個ぐらいは火球のような気がします。火球が多いということは、宇都宮市内でも流星が見えるということです。数は少ないですが、明るい流星が見られます。
それと、流星が飛び出してくるように見える「放射点」が、おうし座の中にふたつあります。下の図の通りです。



おうし座流星群には、もうひとつの特徴があります。流星の速さが遅いのです。流星にも速い遅いがあります。
その理由ですが、地球は太陽の周りを公転しています。地球が公転している向きの正面から飛んでくる流星は、流星自体の速度と地球の公転速度が足されるので、速い流星になります。
地球が太陽の周りを回る速度は、秒速30kmぐらいです。秒速30kmというのは、宇都宮から東京まで4秒で行ける速さです。そういう速さで地球は太陽の周りを飛んでいるのです。一方、流星の元になる物質の公転速度は、40km/sぐらいが多いようです。ですから、正面から地球に向かってくる流星の速さは、30km+40km=70km毎秒ということになります。逆に、地球を後ろから追いかけてくる流星は、40km-30km=10km毎秒です。
ということは、流星の速さは、最大7倍違うということになります。おうし座流星群は遅い流星群のひとつで、28km/sぐらいです。それに対して、速い流星群の代表は、10月後半のオリオン座流星群で66km/sです。おうし座流星群とオリオン座流星群では、流星の速さが3倍以上違うわけです。
オリオン座流星群では1回しか言えない願い事が、おうし群では3回言えることになりますね。
遅い流星というのは、願い事も言えるし、見逃すことも少なそうだし、数が少なくても、おうし座流星群は見てみる価値がありそうです。










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