エリダヌス座


11月も後半になって、冬が近づいてきました。栃木県は冬になると空気が澄んで、星がきれいに見えます。今頃から晴れれば澄んだ星空が見られるようになります。そして、昨日が新月でした。今週は夕方、西の空に細い月がありますが、すぐ沈んでしまいます。月が沈んだ後は、暗い空の下で天体観察ができます。

下の図は今夜22時の星空です。南東の空にオリオン座が昇っています。ふたご座やおおいぬ座のシリウスも昇ってきています。
オリオン座の西側に「エリダヌス座」という、大きいけど聞き慣れない星座がありますね。オリオン座の右下の星、リゲルのそばから、くねくねと長く伸びています。1本の線でかなり長いですね。エリダヌスというのは、神話に出てくる川の名前です。エリダヌス川が星座になっています。



エリダヌス川というのは、星座になるほど有名な川なのかというと、そうではないようです。エリダヌス川というのは、実在の川ではなくて、エジプトではナイル川、バビロニアではユーフラテス川、ローマではポー川というように、各地で身近な大きな川をエリダヌス川としていたようです。
エリダヌス川は1本の川ですから、星座も1本の線でくねくねと繋がれているわけです。この線は地平線まで続いていて、まだ、先があるようですね。もう少しだけ、先があります。栃木県からは地平線の下になってしまって見えないところに、この星座の最後の星で一番明るい1等星があります。「アケルナル」という名前で、「川の果て」という意味だそうです。エリダヌス川の最後が、惜しいところで見えないのは残念ですね。実は、栃木県からは見えませんが、沖縄に行けば見えます。地平線のすぐ上、低いところにあって、数時間しか見えません。今なら22時頃が一番高く昇っています。
沖縄に行って、ナイトダイビングをして、海の上に顔を出したとき南の地平線の向こうにアケルナルが見える、という景色はいいかもしれませんね。










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