皆既月食  その1


今月末の31日に皆既月食が見られます。
月食は20時48分から始まって、22時頃、月が全部隠れます。月食の終わりは夜中の0時頃で、時間帯もちょうどいいです。今月末だと晴れる確率も高そうだし、条件最高の月食が見られるわけです。そういうわけで、今日と来週、2回にわたって、月食の話をしたいと思います。

今回は前半ということで、そもそも、月食というのはどういう現象なのか、ということから説明します。
まず、地球というのも、大きいですが1個の物体です。物体に光が当たれば、影ができます。ですから、常に太陽の反対側に地球の影ができています。
地球に影があることは、日常では意識することがないと思いますが、月は、その地球の影の中に、たまに入るような位置を公転しています。地球の影に月が入ると月食になります。その時は、太陽、地球、月、という順番で、一直線上に並びます。
そういう条件になったときに、月食が起こるわけです。月食にならない、ふだんの満月の時、地球の影は満月の上側か下側を通過します。暗い宇宙をバックにした黒い影ですから、全く見えません。地球の影は、ふだんは月に当たらないところを通過するわけです。


国立天文台 ホームページより


地球の影は、1個の黒い丸ではありません。地球は丸いから、丸い影ができそうですが、違うのでしょうか?

確かに丸い影はできます。それを「本影」といいます。本影の周りには「半影」といって、直径が本影の2倍ぐらいある薄い影があります。影が二重になっているわけです。

どうして半影ができるのでしょう?

それを簡単に説明するのは難しいので、ネットで調べてみてください。簡単に結果だけを言うと、1点から出た光でできる影は本影だけです。でも太陽は、光っている部分の面積があります。面積のある光源から出た光の場合は、本影の周りに半影ができます。
月食の時は、まず、月が半影の中に入ります。でも、半影は薄いので、月が中に入っても、ちょっと見には気がつきません。先に、半影に入る前の満月を見ておくと、少し暗くなったことがわかります。このときを半影月食といいます。

半影月食が始まるのは、何時頃ですか?

20時には、すでに半影の中に入り始めています。せっかくですから、半影月食から見たいですね。

続きの話は、また来週。










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