皆既月食  その2


今回も、前回の続きで、皆既月食の話です。
いよいよ今週の水曜日、31日が皆既月食です。前回は月食が起こる理由と、太陽の光を受けてできる地球の影には本影と半影がある話でした。
太陽の光でできた地球の影に、月が入るのが月食です。地球の影には暗い本影と、その周りに薄い半影があります。月食の時は、まず月は半影の中に入って少しだけ暗くなります。

月が半影に入るのは、何時頃ですか?

半影の縁はぼやけていて、何時何分に半影に入ったというのは、わかりにくいですが、20時は半影に少し入っています。そして、20時45分には、月全体が半影の中に入ります。ですから、20時前の満月を見ておくと、半影に入った月が少し暗くなったのがわかります。
月が本影に入るのは、20時48分です。その時刻から、はっきり月が欠け始めるのがわかります。月がすっぽり本影の中に入って、皆既月食になるのは、21時50分頃です。月は1時間ぐらいかって、次第に欠けていくわけです。皆既月食になっても、月が消えてしまうわけではありません。うっすら赤く見えています。

月が地球の影の中に入るのに、なぜ消えないのでしょう?

その直接的な答えは、地球に空気があるからです。
地球に空気があるから、月が消えない・・・ よくわかりませんね。その理由は次の通りです。
太陽の光が地球の空気の層を通り抜けるとき、屈折したり散乱されたりして進路が曲がり、地球の影の中に入り込みます。その光ために地球の影は、真っ暗ではないのです。

赤く見えるのはどうしてでしょう?

皆既中の月
(写真は 2014年10月8日の皆既月食)


月をうっすら光らせているのは、前述の通り、地球の空気を通り抜けた太陽の光です。空気は青や緑の光を吸収してしまいます。ですから、地球の空気を通り抜けられるのは赤い光だけです。それで月が赤くなるわけです。皆既月食中の赤い月も、よく見ていただきたいと思います。

皆既月食になっている時間はどれくらいですか?

1時間20分ぐらいです。23時10分には皆既が終わって、欠けた月が見え始めます。本影月食が終わって、元の満月に戻るのは0時10分頃です。でもその時、月はまだ半影の中です。月が半影から出て、元の明るさに戻るのは夜中の1時頃になります。

今回の皆既月食を全部見るには、20時から1時まで、5時間かかります。時間に余裕のある人は、5時間見ていただきたいですが、20時40分から23時10分ぐらいまでの2時間半、時々外に出てもらえれば、皆既月食の主な部分は見られます。

せっかく条件のいい皆既月食ですから、みなさん、今週水曜日の夜、ぜひ見てくださいね。



1月31日、天気が危ぶまれましたが、栃木市付近では、月食のほぼすべての過程を見られました。

   タカハシTOA130F+キャノン1.4xエクステンダー+ソニーα7s  この組み合わせで撮影した写真がこちら

半影月食
2018.01.31 20:21 1/3200秒露出 ISO1600
部分月食
2018.01.31 20:57 1/3200秒露出 ISO1600
皆既月食
2018.01.31 22:11 1/8秒露出 ISO6400
皆既月食終わり
2018.01.31 23:08 1/8秒露出 ISO6400

地球の本影の縁は、赤→黄緑→青と色が変化していきます









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