冬から春へ


立春を過ぎて、春に向かう季節になりました。三寒四温というやつで、これから少しずつ暖かくなりますね。星空の方も冬から春に変わっていきます。

冬の星座とか、春の星座とか言いますが、どのあたりに境目があるのでしょう?

冬の星座というのは、冬の中心の1月中旬、21時頃に見やすい位置にある星座をいいます。春の星座は、4月中旬21時頃、見やすい位置にある星座です。その境目を見るために、今夜22時の星空を見てみましょう。



真南よりも少し西におおいぬ座とふたご座があって、オリオン座は西に傾いています。冬の代表的なオリオン座が西に傾いて、2月中旬の夜空は、冬の星座から春の星座に変わろうとしています。かに座を含めて、それより東にあって、てんびん座やかんむり座あたりまでの星座を「春の星座」と呼んでいます。
南より少し東の空にかに座があって、その東側にはしし座があります。真南から天頂を通って、真北を結ぶ線、これを子午線といいますが、この時間だと子午線の西側が冬の星座で、東側が春の星座になります。ふたご座とかに座の間に、冬と春の境目が付くわけですが、明確な境界線があるわけではありません。
22時頃には、冬の星座と、春の星座の、両方が見えるわけです。

冬の星座と春の星座では、明らかに違う特徴があります。
今夜22時の星空で、西側半分と東側半分を見比べてください。この画像からは、わかりづらいかもしれませんが、実際の星空を見るとわかります。

西側の方が明るい星が多くて、東側は星が少ないですね。冬の星座の中には、明るい1等星・2等星がたくさんあります。でも、春の星座は、明るい星が少なくて、寂しい感じがします。それと、春の星座の中には天の川がありません。夏、秋、冬の夜空には、どこかに天の川が見えます。でも、春の夜空にはありません。春の夜空は明るい星が少ない上に、天の川が見えないから寂しい感じになるわけです。その代わり、春の夜空は、遠くの天体から来る光を遮ってしまう、暗黒物質が少ないんです。ですから、宇宙の遙か彼方まで見通せます。

宇宙の彼方・・・ 何が見えるのでしょう?

銀河です。渦巻き銀河や、渦巻き型ではない銀河もたくさん見えます。



肉眼でも見えますか?

残念ながら、肉眼では1個も見えません。双眼鏡や小型の天体望遠鏡でも、あまり見えません。天文台にあるような、大きな天体望遠鏡を使わないと見えない世界です。一般の人は、インターネットで「銀河 写真 画像」で検索してみてください。大きな天体望遠鏡で見ても、肉眼では見られない素晴らしい画像がたくさん出てきます。

春の星空は、いろいろな意味で奥が深いですね。









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