天体望遠鏡と双眼鏡


今日は天体望遠鏡と双眼鏡の話です。時節柄、これから天体望遠鏡を買おうという人もいると思います。

まず最初に理解してもらいたいことは、天体望遠鏡で見ると、いろいろな天体が、図鑑や天文雑誌に載っている写真のように見えるのか? ということ。
残念ながら、数万円で買える天体望遠鏡で、そのように見えるのは月だけです。木星とか土星は、本の写真のようには見えません。土星に輪があるのは見えます。木星の縞模様も2本ぐらいは見えます。でも、図鑑で見る写真とはほど遠い、小さくてぼんやりした見え方です。
また、アンドロメダ大銀河やオリオン大星雲なども、うっすら、ぼんやり白く見えるだけで、写真とはほど遠く、色もわかりません。天体望遠鏡があれば、すべての天体が、きれいに見えるのだろう、という妄想は持たない方がいいです。一式100万円以上の天体望遠鏡を買えば、それなりによく見えますけど、それでも写真とはほど遠いです。
でも、期待したより貧弱な天体の姿であっても、自分の目で見えると、かなり感動します。小さくても、土星の輪が見えただけで満足できると思います。

天体望遠鏡を初めて買いたい場合は、どういうものがいいのでしょう?

まず知っておいてもらいたいのは、星は東から西へ動いていきます。望遠鏡で見ると、けっこう速いです。逃げていく星を追いかけていく仕組みが必要です。望遠鏡の筒を手で持って見るのは絶対に不可能ですから、何らかの台に載せて、台の方を動かして星を追いかけることになります。天体望遠鏡は、筒の部分よりも架台の方が大切です。

初めての場合は、どういうものがいいでしょう?

手動式経緯台。 これが操作が簡単です。ビクセンというメーカーのポルタという製品があります。

写真をクリックするとメーカーページに飛びます

値段はいくらぐらいですか?

まともな天体望遠鏡は、実売価格で、一式5万円以上と思ってください。もっと安いのも売ってますが、それらは、ほぼおもちゃで、よく見えません。ただ例外があります。「スコープテック」というブランドの「ラプトル」という製品は、2万円以下ですがけっこうよく見えます。同じブランドで、ラプトルの上位の「アトラス」というのもあります。3万円から4万5千円ぐらいですが、こちらなら十分使えます。

天体望遠鏡だと金額も高いし、大きいので、置く場所に困るという場合もあります。双眼鏡で星を見るというのはどうでしょう。
双眼鏡で星空を見ると、肉眼で見るより遥かにたくさんの星が見えます。双眼鏡を天の川に向けると、びっくりするほどたくさんの星が見えます。すばるやオリオン大星雲などは、双眼鏡でもきれいに見えます。

天体向きの双眼鏡はありますか?

使いやすいのは、レンズの直径が30mm程度で、倍率6倍がいいと思います。カタログには 「6x30」 という表示になっています。少し大きくて値段も高くなりますが、42mmで7倍の 「7x42」、8倍の「8x42」 もいいです。
「倍率が高い方がよく見えるのではないか」 と考える人もいるかもしれませんね。そういう人は、15倍ぐらいの双眼鏡で一度、星を見てみてください。すぐに 「これじゃダメだ!」 とわかります。双眼鏡を手で持って見る場合、「手ぶれ」が発生します。倍率が高いと手ぶれのため、星が視野内で細かく動き回って、とても見られたものではありません。人によっては、酔ってしまうかもしれません。それほど星が目の前で動き回ります。手ぶれが気にならないのは8倍までです。星を見るなら、倍率は8倍以下の双眼鏡にしましょう。また、倍率が低いほど明るく見えます。暗い星を見たいわけですから、できるだけ明るく見える双眼鏡がいいわけです。
ちょっと高いですが、手ぶれ防止装置が付いた双眼鏡もあります。それならば12倍ぐらいまではいいでしょう。キャノンの「10×42 L IS WP」は、星を見る用途の双眼鏡として最高峰です。実売価格は15万円程度ですが ...



双眼鏡の値段はピンキリですが、星がきれいに見える双眼鏡は、最低でも2万円以上します。安くてきれいに見える双眼鏡として、「日の出光学」の製品がお勧めです。6x30は3万円ぐらいです。

スコープテックや日の出光学の製品は、店では売っていません。販売元からネット通販で買うか、アマゾンでも買えます。









戻 る