海外で見る星空


今月末はゴールデンウイークで、海外に出かける人も多いと思います。今回は、日本以外の国で見る星空の話です。
海外では、行く先の国にもよりますが、日本で見るのとは違う星空が見られます。

まず、北の国では。

たとえば、イギリス、オランダ、ドイツ、そして北欧諸国、カナダ、ロシアなどは、北海道より北にあります。それらの国では、北極星が日本で見るより高いところにあります。北に行くほど、北極星が地平線から高いところに見えます。反対に、さそり座などの南の地平線に近い星座が見えません。
まず、日本で北極星を見てから出かけるのがいいです。北の空には北極星と、その上に北斗七星がありますから、それらが地平線からどのくらいの高さに見えるか、確かめてから出かけてください。



南半球の国へ行く人はどうでしょう?

星に興味のある人は、南半球に行く方がいいです。日本からは見えない星座が見られます。たとえば、南十字星。正しくは、みなみじゅうじ座という星座です。オーストラリアやニュージーランドに行くと見られます。バリ島などの赤道に近い島でも見えます。多少の時差はありますが、現地の時間でゴールデンウイークの21時頃、みなみじゅうじ座が南中しています。南十字を一番見つけやすい時期です。
ゴールデンウイークに南半球に行く人はラッキーですね。
ところが! 残念ながら、今年の場合はそうではありません。今年は4月30日が満月です。月が明るくて、暗い星が見えません。
みなみじゅうじ座は、天の川の中にあります。天の川が見えて、その中にある南十字が美しいのですが、今年は月が明るくて天の川が見えません。でも、南十字だけなら、月が出ていても明るい星が4つ、十字に並んでいるのが見えると思います。

せっかくですから、満月も見てきてください。満月が、北の空に見えます。太陽も北の空にあります。南半球の家は北向きです。南半球に行く方は、そういう所も見てきてください。北の空でひっくり返っている、しし座やおとめ座なども見えると思います。


上の図とだいたい同一スケールの写真です。南十字のすぐ下にある黒い部分は、通称「コールサック」(石炭袋)と呼ばれている暗黒星雲です。ここに星がないわけではなくて、光を出さないチリなどの塊が天の川の手前にあるため、天の川が隠されて黒く見えています。
ケンタウルス座α星・β星と南十字をつなぐと、はえたたきの形に見えませんか。その下に「はえ座」があります。









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