かみのけ座


4月も中旬になって春本番。春の星座を見るには一番いい時期になりました。春の星座の話は、ここでも今年になってから何回か書いてきました。そこで今日は、春の星座の中でも、マイナーな星座の話をします。

春のマイナーな星座、何座でしょう?

「かみのけ座」です。
あまり聞かない星座ですよね。下の図が「かみのけ座」付近です。星座の絵は、髪の毛というより、カツラみたいな星座ですね。場所的には、おとめ座の上で、しし座とうしかい座の間です。有名な星座に囲まれているので、わかりやすいと思います。



確かに場所はわかりやすいですが、明るい星がありません。肉眼でやっと見えるくらいの暗い星が3個あるだけです。それだと、場所がわかっても、星座が見つからないかもしれませんね。ところが、大きな街から離れて、星がきれいに見えるところなら、簡単に見つかります。
下の写真をご覧ください。上の図より星がたくさんあります。3つのうち、右上の星あたりをよく見てください。そのあたりには、暗い星がたくさんあります。実は、そこは散開星団です。数10個の星が集まっているのですが、太陽系に近い位置にあるので、大きく広がって見えています。ここには、すばるみたいな星団がすばるより大きく広がっているのです。1個1個の星は、すばるの星より暗いので、肉眼では個々の星は見えませんが、星団全体がぼんやり光って見えます。星がきれいに見えるところに行くと、大きな星団が肉眼でも見えるわけです。
星座が作られた昔の時代は、夜はどこでも、満天の星空が見られました。ですから、ぼんやり見える星団の部分を髪の毛と見たのだと思います。長さ30cmぐらいの髪を後ろから見た感じです。


かみのけ座というのは、星をつないで星座にするのではなくて、ぼんやり見える星団が髪の毛なのです。そのあたりを双眼鏡で見ると、たくさんの星が見えます。かみのけ座周辺は星が少ない場所です。そんな中で、周りと較べてみると、そこだけ星が多いのがわかります。
また、かみのけ座付近には、小さくて暗いですが、系外銀河もたくさんあります。かみのけ座は双眼鏡で見ても、大型の天体望遠鏡でも、見るべき天体がたくさんある星座です。
みなさんも、かみのけ座にぼんやり見える星団を探してみてください。









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