木星


今日の話題は木星です。
4月1日の回でも書きましたが、木星が見やすい位置やってきて、木星観測シーズンに入りました。観測シーズンということは、逆に言えば、観測ができない時期もあるわけです。
地球から見て、木星が太陽の向こう側に行ってしまうと見えなくなります。ちょうど向こう側ではなくても、その前後は、太陽に近い位置にあるわけですから、夕方や明け方、地平線から低い位置にしか見えません。太陽に近いところにあるときは、見つけにくいわけです。
どの天体でも同じですが、地平線から低いところにあると、天体から来る光が厚い空気の層を通過してきます。空気は常に激しく動いているので、天体望遠鏡で見ても、ゆらゆら揺れてボケた像にしか見えません。



木星は太陽の向こう側だったり、地平線近くにあるときは見られないのです。それは、火星でも土星でも同じです。
木星は399日周期で太陽の向こう側に行きます。ですから、木星が見られない時期は、毎年1ヶ月ぐらいずつ後ろにズレていきます。今月は、木星を見られない時期が終わって、観測シーズンに入りました。実際は、2月から観測シーズンと言っていいのですが、冬は上空の空気の流れが速くて、木星が揺れたりボケたりして見づらい時期です。春になると空気の流れが落ち着いてきて、見やすくなります。
木星などの惑星は、季節によって見やすい時期と見づらい時期があります。季節もありますが、日によっても違います。もっといえば、時間によっても違います。その時その時の上空の空気の流れ方で、見え方がかなり違います。
たとえば、天体望遠鏡を買って、初めて木星を見たとき、期待したほどよく見えないこともあります。それは望遠鏡の性能の問題かもしれないし、使い方が悪いのかもしれません。でも、空気の状態が悪いことも多いのです。特に真冬、北風がビュービュー吹いているときなどは、どんなに良い望遠鏡で覗いても、まともには見えません。

北風が吹いて寒いときの方が、星はきれいに見えますよね。そういうときは、空気の透明度が高くて、星はたくさん見えますが、空気の流れや乱れが激しいのです。冬は星がキラキラ、またたいています。それは上空の空気が、激しく流れているからです。木星は、星が瞬かないときの方が良く見えるわけです。春から夏は、星があまり瞬かない日が多くなります。そういう意味でも、これからが木星の観測シーズンになるわけです。
リスナーの皆様も、天体観測会などに行って、木星を見てきてください。










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