球状星団

今日の星の話は「球状星団」です。先々週、ヘルクレス座とへびつかい座の話でしたが、この2つの星座には、大きな球状星団がいくつかあります。
球状星団というのは、数万個から100万個以上の星が、球形にぎっしり集まった天体です。大きな天体望遠鏡で見るととてもきれいです。小型の望遠鏡でも見えますが、観たときに「美しい!」と思えるのは、やはり大きな望遠鏡です。

球状星団というのは、どういう天体なのでしょう?

球状星団を構成する星は、どれも歳をとった星で、天の川銀河ができたのとほぼ同じ頃に生まれた星のようです。地球が太陽の周りを回っているように、球状星団は天の川銀河の中心の周りを回っています。天の川銀河を回るというのは、スケールが大きいですよね。でも、どうやって、球状星団という天体ができたのか、どうしてバラバラに飛び散ってしまわないのか、未だにわかっていません。謎の多い天体です。

それを天体望遠鏡で見ると、どう見えるのでしょう?

たくさんの星が球形に集まっていますが、周辺はまばらで、中心にいくほど星の密度が高まります。ですから、周辺部は星が1個1個分離して見えますが、中心付近は星が重なり合って、全体が白く光って見えます。大きい望遠鏡で見ると、星の大集団として見えます。


球状星団 (ヘルクレス座にあるM13)


どのあたりに見えるのでしょう?

春から夏の星座の中にたくさんありますが、代表的な球状星団がヘルクレス座にあります。ヘルクレスのお腹のあたりに、M13という天体があります。近くにもうひとつ、M92というのもあります。どちらも球状星団で、M13の方は、北半球で見える一番大きいものです。そして、へびつかい座には、M いくつという番号が付いた比較的大きな球状星団が5個あります。

一般の人が球状星団を見たいときは、どうしたらいいでしょう?

こども総合科学館や、宇都宮大学などの観測会、各地域でボランティアの人たちがやっている星を見る会などがあります。そういう観測会の情報を収集して、見に行ってみてください。そのとき、「M13が見たい!」とリクエストしてみてください。大きい天体望遠鏡があれば見応えのある天体ですから、きっとリクエストに応えてもらえると思います。
そういう機会を見つけて、球状星団を見てきてください。

M10                             M12









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