さそり座といて座

7月も中旬になりました。今は日が長いので、真っ暗になるのは21時ぐらいです。星を見るのはそれ以降になります。今週の21時、22時ぐらいだと、さそり座といて座が見やすい位置にあります。どちらも黄道12星座ですね。さそり座生まれ、いて座生まれの人は、ぜひこの時期に自分の星座を見つけてください。ただ、夏の栃木県の夜は、あまり晴れません。昼間晴れていても夜になると曇って、翌日の朝、また晴れるというパターンです。夏の夜の晴れ間は貴重です。

さそり座といて座というと、天の川の一番濃いところがそのあたりにあります。残念なことに、栃木県から見た場合、南の地平線近くの低いところなのでよく見えません。

7月15日 22時の南の空


どうして、栃木県から見ると残念なのでしょうか?

関東地方の地図を思い浮かべてください。栃木県は一番北にあります。その南には、埼玉県、東京都、神奈川県と、人口が多くて夜になるとたくさんの光を出している大都市があります。栃木県から見ると、南の方に明るい光を出す都市が広がっているわけです。それらの光が夜空を照らしています。ちょうど、天の川があるあたりが、地上の光で照らされて明るくなって、天の川が消されてしまいます。

東京の光が栃木県まで届くのですか?

正確に言うと、都会から出た光が空に向かって進んで、空気中にあるチリやモヤなどに当たって反射します。反射した光が栃木県まで届いてきます。それを栃木県から見ると、南の空が光っているように見えます。天の川の明るさよりも夜空の明るさが明るいと、天の川は消されて見えなくなります。

県内だと、どこに行っても同じですか?

県北の方は、東京の光の影響は多少、弱くなります。でも、宇都宮が南にありますから、宇都宮の光が加わって県南と同じです。栃木県内で、さそり座・いて座付近の天の川を見るのはムリなのかというと、全然見えないわけではありません。大きな街から離れた標高の高いところなら見えます。でも、本来の天の川よりも、うっすらとしか見えません。
大きな街から離れて、標高の高いところというと、日光や那須になります。日光なら竜頭の滝より上の方、那須なら標高1000m以上の所がいいです。

夏の天の川はぜひ見たい天体です。そういう所まで行って、見てきてください。できれば、「いつ見に行こう」という計画を立てて行くのではなくて、「今夜はよく晴れた!」「月も出てない!」というときに、車で出かけられるといいですね。星を見に行く計画を立てても、たいてい晴れません。アクティブに行動する方がいいでしょう。

さそり座といて座 (撮影地:福島県南会津町)

地上のすぐ上の緑色の部分が東京方面から来る光です
福島県まで行けば、影響が小さくなります









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