火星と土星

8月になりました。今年は梅雨明けが早かったので夏が長いです。一年中で一番暑い時ですが、子供たちは夏休み、大人も休める人が多い時期です。星を見に行くには一番良いですね。

今夜22時頃の南の空には、土星と火星が見えています。(下図)

8月5日 22時の南の空


いて座をはさんで、西側に土星、東側に火星です。今週は、22時ぐらいなら、まだ月が昇っていません。大きな街から離れたところに行けば、いて座の天の川も見えます。火星は、先月31日に大接近した直後ですから、明るくて大きく見えます。もちろん、天体望遠鏡が必要ですが、火星も土星も見られます。

土星は輪のある惑星ですが、輪の傾きが30年周期で変化します。今、輪が最も大きく傾いていて、土星を見るには一番いいときです。
土星が今と同じように見えるのは、30年後ということになりますが、今は土星の北半球側が見えています。15年後に、同じように輪が大きく傾いて、南半球側が見えるようになります。どちら側が見えていても、見た目には同じなので、15年後にまた同じ条件になると言ってもいいです。いずれにしても、火星も土星も、今が一番の見頃ということです。

ただ、火星の表面は、地球の砂漠のような状態になっています。そこに、ときどき砂嵐が発生します。火星の砂嵐は、地球とはまるで違う、スケールの大きなものです。スケールが大きい砂嵐... 「大砂嵐(おおすなあらし)」ですね。そんなエジプト出身の力士がいましたね。けがをした上にまずいことをやって、引退してしまいました。
火星の砂嵐はどれくらいすごいのかというと、砂嵐が火星全面に広がって、表面をすべて覆い尽くして、模様が見えなくなります。惑星ひとつを丸々包んでしまう砂嵐って、ものすごいですね。
その砂嵐が、今、発生しています。先月から大砂嵐が発生して、今は少し収まってきたところです。それでも模様が隠されて、元々薄い模様が、さらに見えにくくなっています。残面ですね。




砂嵐の火星も土星も、それらを見るには性能の良い天体望遠鏡が必要です。肉眼や双眼鏡では、普通の星と同じようにしか見えません。観測会の情報を収集して、見に行ってみてください。
でもその前に、肉眼で、赤くて明るい火星と、その西にある土星を見てみましょう。










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