秋の天の川

そろそろ、秋晴れが多くなって、星空がきれいに見える季節になるのでしょうか?
今年は (・・・というより近年は) 天気の悪い日が多くて、なかなかきれいな星空が見られません。良く晴れたら、特定の星を見るより、夜空全体を見回したいですね。今日は、秋の夜空に見える天の川の話です。

天の川というと夏のイメージがありますが、秋の夜空にも見えます。天の川はどの季節でも、空のどこかに見えます。でも、天の川には、濃いところと薄いところがあるし、見やすい位置にある場合とそうでない場合があります。日本から見た場合、天の川の一番濃いところが夏に見えます。
でも、一番濃いところは、南の地平線の近くになってしまうので、栃木県から南の低い空を見た場合、関東平野の街の光が明るくて、天の川が消されてしまいます。その点、秋の天の川は、真上より少し北寄りの高いところに見えます。地平線から高ければ地上の光の影響を受けにくいし、栃木県の北方向に大都会はありません。このため、栃木県からは、夏よりよく見える場合があります。

下の図は今夜22時の星空です。北の方向のできるだけ広い範囲が見えるようにしてあります。

下が北、左が西、右が東


西はわし座から、東はカシオペア座あたりまで、天の川が見えます。その両側にもつながっているのですが、カシオペア座より東の天の川は薄いので、なかなか見えません。
夏の天の川は上から下でしたが、この時刻には、西から東までの大きなアーチのように見えます。季節によって、時刻によって、天の川の見え方はいろいろです。今夜も北極星の上の方だけを見れば、水平に見えます。

天の川沿いで、注目したい星座はありますか?

カシオペア座は有名だし、わかりやすいので、すぐ見つけられると思います。その隣で、はくちょう座とカシオペア座の間にケフェウス座があります。あまり目立たない星座ですが、同じくらいの明るさの星が、すごく短くなった鉛筆みたいな形の五角形に並んでいます。ケフェウス座は秋の星座の物語の中心になる王様の星座です。
秋の天の川の近くにある星座の多くは、古代エチオピアの物語に出てくる登場人物たちです。エチオピアの王様がケフェウスです。今週から来週は、そのあたりの星座も含めて、秋の天の川を見る好機です。

秋の天の川が見えるかどうかは、まずは天気次第ですが、夜空に月がないことも大切です。月のない夜に、星がよく見えそうなところに出かけてみてはいかがでしょうか。


北極星の上に見える天の川
赤い散光星雲があちこちにありますが、これらは肉眼では見えません









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