くじらの心臓の位置に「ミラ」という星があります。星座の図で見ると、心臓というより首のあたりですね。本物のクジラだと、そもそも首ってないですが、くじら座は星の位置と絵がズレています。下の写真で、星をつないだ線を見ると、ミラは手の付け根にありますよね。ほとんどの哺乳類は、そのあたりに心臓がありますよね。星座の線の結び方やイラストは、決まりがないのでどう描いてもいいことになっています。この絵はちょっとズレちゃった感じです。 
       
      ミラはいつでも見えるわけではありません。変光星で、明るさが変わる星です。それも2等星から10等星まで変わります。330日ぐらいの周期で明るさが変化しますが、今は肉眼でギリギリ見えるようになってきたところで、これからだんだん明るくなっていきます。そして12月に一番明るくなります。 
      2等星から10等星というのは、すごい差ですよね。2等星なら十分明るい星として見えますが、6等星より暗くなると肉眼では見えなくなります。くじらの心臓の位置にある大切な星なのに、1年のうち約半分は暗くて見えません。そのミラが今、やっと見えるようになってきました。 
       
      これから12月までの間、時々くじら座を見てください。ミラがだんだん明るくなっていくのがわかります。2週間に1回ぐらい見ていくと、「この前より明るいな」って感じると思います。くじら座はこれから先、冬の初めまで見えます。 
      ミラが見えるか見えないかで、星座の形が変わります。ミラが明るくなると、くじら座が手のあるクジラとして見えるようになります。 
       
      くじら座とミラ、これから今年いっぱいぐらい、時々見てみてください。 
 
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