おうし座流星群



11月になりました。今年も例年通りなら天気が安定して、晴れる日が多くなる時期です。今年は台風が多かったですが、11月になれば来なくなるでしょう。今月はきれいな星空が見える日が多いことを期待しましょう。
そんな11月、最初の星の話は、おうし座流星群です。おうし座流星群というのは、10月後半から11月いっぱいぐらいまでの、非常に長い期間活動する流星群です。特にピークらいしいピークがなくて、この期間中、1時間に2・3個の流星が飛びます。1時間に2・3個でも流星群なのです。それらの流星は同じ軌道を回って、地球に飛び込んできたものです。同じ軌道を回っているものは、数が少なくても流星群です。ただ、同じ軌道とは言っても、地球が1ヶ月以上かかって、それらの軌道を横切るわけで、流星群は大きく広がっています。

1ヶ月ぐらい前、ほうき星が太陽に近づいたとき、ガスや小石程度の粒を軌道上にばらまいていくという話をしました。それらの粒は彗星の軌道と同じ、ほとんど1本の線上の狭い範囲にばらまかれていきます。そこを地球はほぼ1日で横切ります。それなのに、おうし座流星群は、横切るのに1ヶ月以上もかかるわけです。おうし座流星群の元になる粒は、非常に広範囲に散らばっています。

それは、どうしてなのでしょう?
粒がばらまかれてから、長い時間が経過したので、広がったのでしょうか?

おうし座北群とおうし座南群、2つの放射点がある


そうとも考えられますが、それにしても広がりすぎです。おうし座流星群の元になる粒をばらまいたのは、「エンケ彗星」で、3.3年で太陽の周りを一周する周期彗星です。
3..3年というのは非常に短い周期です。ですから、大昔から現在まで、相当な回数、太陽の周りを回っています。太陽系をまわっている間に、惑星に近づくことがあります。彗星本体は小さくて軽いので、惑星に引っ張られて軌道が少し変わります。エンケ彗星は少しずつ軌道を変えながら、これまでにいろいろなところを通っています。ですから、彗星からばらまかれた粒が広範囲に散らばっているわけです。

彗星の軌道自体が、少しずつ変わっているのですね。彗星の軌道が変わっても、それ以前に、彗星から放出された粒の軌道は変わらないので、いろいろなところを通る粒の帯があるわけです。

おうし座流星群の流星は、日によって、違う時代に彗星から放出された粒が、流星になって見えるということです。
そして、おうし座流星群の特徴は、流星のスピードが遅くて、明るいものが多いことです。・・・ということは、1個の流星が光っている時間が、長いわけです。
願い事を3回、言いやすい流星群ですね。

今月中の、月が出ていない良く晴れた日に、夜空を見上げてください。ゆっくり飛ぶ、明るい流れ星を見られるかもしれません。











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