来年の天文現象



12月30日になりました。いろいろな天体関係の話をしてきましたが、今年も明日で終わりですね。

今年を振り返ってみると、1月に皆既月食が見られました。当日は天気が良くて見られた人が多かったと思います。夏には火星の大接近がありました。夏の南の空に、火星が赤く明るく輝いていました。でも、大接近と言っても、火星の模様を見るには天体望遠鏡が必要です。私はもちろん、天体望遠鏡で火星を見ましたが、みなさんはどこかの天文台に行って、火星を見られたでしょうか?  見に行った人もいるでしょうが、よく見えなかったと思います。今回、火星が大接近していた7月・8月頃は、火星に大規模な砂嵐が巻き起こって、表面の模様を隠してしまいました。天体望遠鏡で見ても、ただの赤い丸しか見えませんでした。9月以降は砂嵐が収まって、模様が見えるようになりましたが、その時はもう、火星が遠ざかってしまいました。

火星は残念でしたが、今年は「はやぶさ2」の話題もありました。はやぶさ2が小惑星のリュウグウに到着しました。今年のうちに、リュウグウに降りたって、サンプルを取ってくる予定でしたが、来年に延期になりました。はやぶさ2にトラブルがあったわけではありません。はやぶさ1号機のときは、トラブル続出で満身創痍になりましたが、はやぶさ2は今のところ順調です。どうして延期になったのかというと、リュウグウの表面をよく調べたら大きな岩だらけで、降りられる場所がなかったのです。

今後、どうするのでしょう?

リュウグウの表面をさらによく調べて、少しでも開けたところを探しています。岩だらけでも、直径が50cm以下の石ならなんとかなるので、降りられる場所を丁寧に探しています。来年、いいニュースが入るといいですね。

ところで、来年の天文現象は何があるでしょう?

来年は、部分日食が2回あります。最初は1月6日。来週の日曜日です。来週、コズミックジャーニーの放送の後です。10時10分過ぎに日食が始まります。この日食は日本全国で、最初から最後まで全経過を見られます。一番大きく欠けるのは11時10分ぐらい。太陽の4割ちょっとが欠けます。終了は12時5分です。
日曜日の午前中ですから、見られる人が多そうですね。
2回目は12月26日の午後です。1年に日食が2度見られるのは、珍しいことです。

流星群はどうですか?

1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群、この3つが毎年たくさんの流星が見られます。残念ながら、来年は、3つとも条件が悪いです。流星群はダメですが、それら以外の天文現象もいろいろあります。その都度、お話ししたいと思います。

では、来年もまた、よろしくお願いします。  良いお年を...










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