星の瞬き



一年中で一番寒い季節になりました。大寒です。
とても寒い時期ですが、夜空にはオリオン座が輝いています。今夜だと21時頃、南中しています。オリオン座の上にぎょしゃ座、下にうさぎ座も南中しています。北風が吹く夜に、オリオン座の星が瞬いているのを見ると、冬だなぁ、と思いますね。オリオン座は、星座を形作る星の多くが1等星と2等星で、明るい街の中でも見つけやすいのが代表たるゆえんです。
ところで、星・・・恒星ですね、これらは瞬いて見えますが、冬の空に見える星の瞬きが一番大きいのです。季節によって、星の瞬き方が違います。多くの人が「星がキラキラ瞬いているなぁ...」と感じるのは、冬の星空だと思います。星の瞬き方は、季節によっても違うし、日によっても違います。毎日違うものなのです。

そもそも、星はどうして瞬くのでしょう?

1月27日 21時の南の空


地球にある空気が関係しています。星はどうして瞬くのか? という質問の答えは、次の2つです。

  ・地球に空気があるから
  ・星には大きさがないから

そう言われても、わかる人はわかると思いますが、一般の人には意味不明かもしれませんね。
まず、空気について説明します。
地球の表面には空気があって、空気は常に動いています。空気が動くということは、風や気流があるということです。風があると、場所によって空気の密度が微妙に違います。空気が濃いところと薄いところができるわけです。密度が違うと、ごくわずかですが光の屈折率が変わります。地上の人にとっては、常に屈折率の違う空気が目の前を流れているわけです。星の光が各自の目に届くまでに、その空気の層を通過してきます。空気の屈折率が変わると、星の見える位置がズレます。星の光は目の網膜の上を速い周期で動き回っています。それが星の瞬きとして見えるのです。

空気はそんなに速く流れているのですか?

空気というのは、地上付近から遙か上空まであるので、高さによって動き方が違います。それらが積み重なって、速くて複雑な動きになります。冬に星の瞬きが大きいのは、風が強いからです。冬は地上付近だけではなくて、上空の高いところの風も強くなっています。ジェット気流と呼ばれるものもそのひとつです。冬は地上も上空も風が強いので、星の瞬きが大きいのです。

「星には大きさがない」というのは、わかりにくいかもしれませんね。
星というのは大きな天体ですが、どんな大きな天体でも、距離が離れると小さく見えます。夜空にある恒星は、人間から見ると、無限と言っていいほど遠くにあります。星の大きさは、無限に小さく見えるわけです。無限に小さいというのは、大きさゼロです。大きさゼロ、つまり点光源から出る光は、屈折率の違う空気の層を通ると、見える位置が変化します。木星や土星などの惑星は、恒星に較べれば地球の近くにあります。見た目には小さいですが、大きさはゼロではありません。大きさのある天体から来る光は、屈折率の違う空気の層を通っても、ほぼ大きさの範囲内でしか動きません。ですから瞬きません。今夜だと、火星が夕方の西の空にあります。木星と土星は、明け方の東の空に見えます。自分の目で見て、恒星は瞬くけど、惑星は瞬かないことを確かめてください。

今夜晴れたら、星空を見て、星の瞬きを見てみてください。恒星は激しく瞬いていると思います。でも、惑星は瞬きません。瞬かない星があったら、それは惑星です。季節によって、恒星の瞬き方が違うので、春や夏と較べられるといいですね。











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