カノープス

2月24日 20時の南の空

上の図は、今夜20時の南の空です。シリウスが南中しています。シリウスは太陽を除くと、全天で一番明るい恒星です。冬は明るい星がキラキラまたたいて、シリウスを見ているだけでもきれいですよ。そのシリウスからずっと下、地平線のすぐ上を見てください。カノープスという星がありますね。栃木県から見える、一番南にある一等星です。りゅうこつ座という星座にある明るい星で、全天でも、シリウスに次いで2番目に明るい恒星です。そんな明るい星が、地平線すれすれに見えるのです。

「りゅうこつ」というのは「竜骨」と書きますが、恐竜の化石ではありません。竜骨というのは、船に関係する言葉です。昔の船は、船首から船底を通って船尾まで、1本の丈夫な骨組みが通っていました。これを竜骨と言います。英語ではキールです。キールというと、最初に提案された新国立競技場の骨組みにありましたね。最初の国立競技場の案は、船を上下逆さにしたような構造でした。競技場の屋根の中央にキールを2本通す形でしたが、これがあまりにも高く付くのでボツになりました。

りゅうこつ座のあたりは、昔、「アルゴ座」という巨大な船の星座でした。でも、あまりにも大きい星座だったので、後に3つに分割されました。アルゴ船のキールの部分がりゅうこつ座になりました。
そんな「りゅうこつ座」の明るい1等星が、地平線ギリギリに見えます。シリウスが南中したとき、その下の方にありますが、南に建物や山があると見えません。東京スカイツリーが見えるくらい、南に何もないところで見ないと見えません。

栃木県から、スカイツリーが見えるのですか?

栃木市にある大平山の謙信平からスカイツリーが見ました。栃木県からスカイツリーが見えるということが驚きですか?
関東平野というのは、それくらい平らなのです。それくらい平らなので、南の地平線ギリギリにある星が見えるのです。
南に障害物がない、ある程度高いところから見れば見えます。私の自宅の屋上から見えます。ただ、地上にある街灯などと区別が難しいこともあります。条件によっては、まるで星のように見える地上の明かりもあります。でも星なら、10分も見ていれば動きますから、動かない地上の光と区別できます。

あまりにも低いところにあるので、見つけにくい星ですが、カノープスを見ると長生きできるという伝説もあります。みなさんも、今夜晴れたら、カノープスを見つけてください。。











戻 る