三日月と北の空



3月も10日になりました。だんだん暖かくなってきて、夜、外に出るのも楽になりますね。
今日は夕方、西の空に三日月があります。今夜はどうかわかりませんが、澄んだ空にある三日月はきれいですよね。三日月やもっと細い月は、光っていない側もうっすら見えます。どうしてでしょう?
あれは「地球照」といいます。文字通り、地球が月を照らしています。

地球が月を照らす・・・というのは、どういうことですか?

三日月のとき、月面に立って地球を見られたら、三日月と反対の形をした地球が見えます。つまり、三日月の光っている部分と、光っていない部分の関係が逆の地球が見えます。今日の場合、地球は月齢12ぐらいの太った月と同じ形に見えるわけです。
地球は月より、直径で4倍ぐらい大きくて、面積は2乗になりますから16倍大きくなります。また、地球の表面は水や雲があるので、光を反射しやすくできています。ですから、月面から地球を見ると、地球から見る月の20倍以上明るく見えます。その明るい地球が、月の夜の部分の地面を照らしています。それで、月の夜の部分がうっすら光って見えるのです。
今日の三日月で、地球照を確かめてください。

月の上の方に火星もあります。そして、三日月ですから、比較的早い時刻に沈みます。月が沈んだ後は、西の空に冬の星座、東の空に春の星座が見られます。この時期は、冬の星座と春の星座の両方が見られます。

下の図は、今夜21時の星空です。

3月10日 21時の星空

南から天頂を通って、北を結ぶ線を「子午線」と言いますが、この時刻には、子午線の西側が冬の星座で、東側が春の星座になります。
そして、北の空にも注目してください。
北極星の東に北斗七星、西にカシオペア座があります。よく理科の教科書に出てくる形です。北斗七星やカシオペア座から北極星を見つける方法が、教科書にも星空の入門書にも書いてあります。
北斗七星から北極星は、どうやって見つけますか?

 3月10日 21時の北の空

北斗七星のひしゃくの先にある2つの星を5倍延長すると、だいたい北極星のあたりにたどり着きます。カシオペア座からは、もう少し複雑ですが、似たような方法があります。でも、そんな面倒なことをしなくても、北斗七星とカシオペア座の両方が見えていれば、その中間にある明るい星が北極星です。北極星は2等星ですが、そのあたりにある星の中では、一番明るく見えます。北斗七星とカシオペア座の両方見えれば簡単です。でも、両方が見えていないといけないわけです。両方が見やすい位置にあるのは、この時期の夕方です。
今夜、北斗七星とカシオペア座、その中間にある北極星を見つけてみてください。









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