はやぶさ2



日本の惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星「りゅうぐう」で活動中です。2月22日に1回目のタッチダウンに成功しました。りゅうぐうの表面にあった粒子を採取できたはずです。「はず」というのは、採取の動作はきちんと行われたようですが、本当にカプセルに入ったかどうかは、はやぶさ2が地球に帰ってくるまで確認できません。

先日はまた、りゅうぐうに弾丸を撃ち込みました。そこがどうなったかは、これから確認に行きますが、ある程度のクレーターはできたようです。
りゅうぐうの表面は、太陽からの熱やそのほかのエネルギーを受けて、風化しています。でも、ちょっと掘れば、太陽系ができたばかりのころの物質が眠っています。表面の土をどけて、地下にある物質を表に出すために弾丸を撃ち込みました。これから状況を見て、可能であれば、その場所にタッチダウンして土を採取します。それも難しいミッションです。2月に成功したタッチダウンよりも難しいと思います。でも、はやぶさ2運用チームは、きっと成功してくれると思います。

はやぶさ2はまだしばらく、りゅうぐうにいます。まだやることがいろいろあるので、今年いっぱいぐらいはりゅうぐうにいます。はやぶさ2は、通常、りゅうぐうの上空20kmの位置にいます。上空というのは、りゅうぐうから太陽の方向に20km離れた位置です。ここを「ホームポジション」と呼んでいます。りゅうぐうの周りを回っているわけではありません。
たとえば、月探査機の場合は、月まで行って月の周りを周回しながら観測します。でも、小惑星は重力が弱くて、周りを周回することができません。天体の強い重力で、探査機を引っ張ってくれないと回れません。

回っていないということは、はやぶさ2はどうしているのですか?

りゅうぐうと同じ速さで、同じ軌道で、太陽の周りを公転しています。はやぶさ2は、りゅうぐうと並んで太陽の周りを回っているのです。宇宙の中での20kmというのは、ごくわずかな距離で、ほとんどりゅうぐうにくっついて飛んでいると言ってもいい状態です。りゅうぐうは、宇都宮から東京まで、数秒ぐらいで着いてしまうスピードで太陽の周りを回っています。そんな高速移動している天体と並んで飛ばすというのは、高度な技術が必要です。

すべてがうまくいったら、はやぶさ2は、いつ頃地球に帰ってくるのですか?

今年の末にりゅうぐうを離れて、帰途につきます。そして、東京オリンピックが終わった後の、2020年の終わり頃、地球に帰ってくる予定です。



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