梅雨の前に



6月に入りました。間もなく梅雨です。梅雨に入ると晴れが少なくなりますから、夏の初めに見える星座は、今のうちに見ておきたいところです。先週もそんな話をしました。そして、明日が新月です。今週は、夏の初めの星座を見るチャンスです。さそり座、へびつかい座あたりは、梅雨に入る前に見ておきたい星座です。そのあたりは、梅雨が明けた頃には西に傾いてしまいます。

下の図が、今夜23時の南の空です。

紫色の天体が散開星団、黄色が球状星団


さそり座がありますね。さそり座は6月が一番見やすい位置に来ます。その6月が梅雨で、さそり座がなかなか見られないわけです。さそり座は有名な星座ですが、南の空の低い所にあるので、良く晴れて、地平線まで星がきれいに見える日でないと全景を見ることができません。梅雨の時期に快晴というのは、ほとんど望めません。

さそり座の上にへびつかい座、その上にヘルクレス座があります。さそり座付近は肉眼で見てもきれいですが、双眼鏡でも見たいところです。サソリのしっぽのあたりは、天の川が特に濃いところです。残念ながら南の空の低いところなので、街の光に消されてしまって、肉眼ではよく見えません。でも、双眼鏡で見ると星がたくさんあるのがわかります。星雲や星団もたくさんあります。サソリの毒針の上に、M6とM7という大きな散開星団があり、双眼鏡でよく見えます。球状星団もたくさんあります。

球状星団というのは、どういう天体ですか?

星が球形にぎっしり集まった天体です。少なくても数万個、大きいものだと100万個以上の星が集まっています。ただ、コンパクトにぎっしり集まっているので、見た目には小さいです。双眼鏡で見るには小さくて、どれが球状星団なのか、わからないと思います。天体望遠鏡がないと見えません。球状星団は、望遠鏡が大きければ大きいほど、よく見えます。ヘルクレス座にM13という大きな球状星団があります。これは双眼鏡でも、ふわっとした丸い形がわかります。

見所がたくさんある初夏の星座、ぜひ、梅雨に入る前に見てみてください。











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