星 食



今日の星の話は「星食」です。日食や月食と同じように、星食というのがあります。一般的には、月が明るい星を隠すことをいいます。掩蔽(えんぺい)という言い方もあります。
要するに、恒星の前を月が通過するわけです。月は星座の中を東に向かって、ゆっくり動いて行きます。その途中、星の前を通過することがあります。無数にある暗い星の前は常に横切っていますが、肉眼でも見える明るい星の前を通過することがあります。その時、私たちは星食を見られるわけです。ただ、月は明るいので、かなり明るい星でも肉眼で見るのは難しいです。双眼鏡や望遠鏡で見れば、星が月に隠される瞬間や、月の後ろ側から出てくる瞬間を見られます。

月は満月以外のとき、光っている側と光っていない側があります。星が光っている側から隠されるときは、見ていて、隠れる瞬間がわかりやすいですが、光っていない暗い側から隠れるときは、隠れる瞬間を予想しづらいです。欠けている側は、どのあたりが月の縁なのか、だいたいは想像できますが、正確にはわかりません。その場合はよく見ていないと、瞬きする間に星が消えたり現れたりします。何時何分何秒に星が隠されるか、予報が出ますが、隠れる時刻は、場所によって違います。iステラなどの天体アプリで、シミュレーションすることもできます。

空の中での月の通り道を白道(はくどう)と言います。白道の上にある星が月に隠されるわけですが、白道は周期的にずれていくので、隠される星は年によって変わります。



7月28日 AM2:00 おうし座の頭部分 画面全体がヒアデス星団
赤線が白道 月は白道上を左(東)に動いていく


来週の日曜日、28日の早朝ですが、星食が見られます。ヒアデス星団の前を月が通過します。ヒアデス星団というのは、おうし座の顔の所で、アルデバランという1等星があります。今回は、アルデバランは隠されませんが、ヒアデス星団ですから、たくさんの星があって、それらが次々に隠されていきます。

28日の早朝、2時ぐらいから、双眼鏡でも見える明るい星が、少なくとも2個、月に隠されます。
日曜日の朝なら、早起きして見られる人が多そうです。双眼鏡や天体望遠鏡をお持ちの方は見てみてください。











戻 る