月と木星・土星



9月になりました。今日の星の話は月と惑星です。惑星の中でも、今、よく見えるのは木星と土星なので、月とその2つの惑星の動き方の話です。

夜空に肉眼で見える星の大部分は恒星です。恒星の位置は変わらないので、星座の形が変わることはありません。正確に言うと恒星もごくわずかに動きますが、ひとりの人間が生きている間に、目で見てわかるほど動くことはありません。
それに対して、惑星は動きます。今は夕方の空に、木星と土星が見えています。それらを1週間ぐらい間を空けて見ると、位置が変わっているのがわかります。

惑星の動き方は複雑です。恒星の間を東に向かって動いたり、途中でUターンして西に向かったりします。そういう複雑な動きをすることから、「惑星」と呼ばれるようになりました。惑星の惑は、訓読みすると「まどう」です。道に迷ったように、あっちに行ったりこっちに来たりという動き方をします。月はもっと速く動きますが、ほぼ規則正しく東に向かって動いていきます。
月が東に向かって動くというと、「えっ!」って思う人がいるかもしれませんね。
地球が自転していることによる日周運動では、恒星も惑星も月も、みんな一緒に、西に向かって動きます。その日周運動の話ではなくて、最初にお話ししたように、恒星は動きませんので、恒星の位置を基準にしたとき、月や惑星が星座の中をどう動くかということです。月は2日で星座1個分ぐらい、東に移動します。

月の通り道と惑星の通り道は、近くにあります。白道と黄道です。惑星より月の動きの方が速いので、たまに、月が惑星を追い越していくのを見ることができます。今週6日(金) 16:24 に、月が木星のすぐ上を通過します。しかし、その時刻だと、まだ太陽が出ているので肉眼では見られません。2時間後の18時半ぐらいになれば見えます。

下の図は、6日の18時30分です。

9月6日 午後6:30 の南の空


木星と月が近いです。その時刻だと、月が木星を追い越した後になりますので、月が木星の少し東側にあります。
木星の東側に土星があります。このあと、月は土星にも近づきます。2日後の8日(月)には、月が土星に大接近します。
その様子が下の図です。

9月8日 午後6:30 の南の空 
9月8日 午後11:30 の南西の空


8日の18時半では、月は土星の後ろ側にいます。後ろというのは西側です。それから次第に、月が土星に追いついていきます。23時から0時ぐらいに南西の空を見ると、月のすぐ上に土星が見えます。ほぼ0時に月と土星が並んで、その後は月が土星を追い越していきます。

今週と来週初めに、月と木星、月と土星の追いかけっこが見られます。










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