北の空の天の川



今日9月29日は新月です。今夜は月が無くて、晴れれば一晩中、満天の星を見られます。この時期の星空の見所は北の空です。
これまで北の星空の話は少なかったですね。有名な星座や月や惑星は、みんな南の空にありますから。
下の図は今夜0時の北の空です。


9月29日 0時の北の空


北の空にはカシオペア座とアンドロメダ座があります。そして、北東の空にぎょしゃ座があり、その下からふたご座も昇ってきています。まだ秋の初めですが、夜中には冬の星座が昇ってきます。そして、星がきれいに見える場所に行けば、天の川が見えます。夏の天の川は天頂から南の地平線に向かって流れ落ちていましたが、秋の天の川は北の空に見えます。
まず西の空を見ると、こと座、はくちょう座、わし座があって、夏の大三角がまだ見えています。そのあたりの天の川は、比較的濃く見えます。夏の大三角から北の空に向かっていくと、ケフェウス座、カシオペア座、ペルセウスス座とつながっています。そのあたりには秋の天の川があります。今は夜中の0時の星空を見ていますが、これから同じあたりが次第にもっと早い時刻に見られるようになります。

秋の天の川は、西から東に行くにつれて、薄くなっています。北東の空にあるペルセウス座やぎょしゃ座のあたりの天の川は、とても淡いです。そのあたりの天の川が見えたら、日本でも最高に星がきれいに見える場所だと言えます。一般の人が手軽に車で行ける場所で、ぎょしゃ座の天の川が見えるところは、名古屋から仙台の間の地域では、福島県の奥只見だけだと思います。たとえば、富山県立山の室堂とか、長野県の乗鞍とか、標高が2000mを超える高地に行ければ、もっときれいな天の川が見えます。でも、それらの地域は、自家用車の乗り入れが厳しく制限されています。要するに、重い荷物を背負って、公共交通機関で行くしかないので「手軽」ではありません。

ななつがたけ北天文台がある福島県の南会津町も星がきれいに見えます。場所的には、奥只見の手前です。そのあたりでも、天気が良くて空気の透明度がすごく良ければ、ぎょしゃ座付近の天の川が見えることもあります。いつでも良く見えるわけではありません。でも、それはどこでも同じことで、一口に晴れといっても、空気の透明度は時によって全然違います。星を見に行くときは、晴れるかどうかだけではなく、空気の透明度がどうかまで気にしないといけないわけです。

それはどうやって調べたらいいのですか?

気象庁のホームページに、気象衛星ひまわりが撮影した雲の画像が出ています。テレビの天気予報にも良く出てくるやつです。通常は赤外線で撮った雲の画像を見ますが、ホームページ上で「水蒸気画像」を選択できます。水蒸気の写真は、黒いところほど水蒸気が少ないことを表しています。ひとつの目安ですが、水蒸気が少ないほど空の透明度が高くなります。雲も水蒸気も、西から東に動いていきます。これから水蒸気の少ない部分が来るところに行くのが良いわけです。
事前にそんなところもチェックしておくといいでしょう。











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