ミラ極大



今日の星の話は、くじら座にある「ミラ」という変光星です。以前にも書きましたが、明るさが変わる星です。

みなさんは、くじら座という星座を知っているでしょうか?

知らない人が多いでしょうね。くじら座には特に明るい星があるわけでもなく、もちろん黄道12星座にも入っていません。一般の方は、「知らない星座」のひとつなのだと思います。そのくじら座の中に、明るさが変わる星があるります。「ミラ」という変光星です。この星があるからくじら座を知っている、という人もいるかもしれません。それくらい有名な変光星です。およそ332日の周期で2等級から10等級まで、明るさが変わります。

2等星から10等星って、すごい明るさの変化ですね。

くじら座付近は明るい星が少ないので、2等星なら目立つ星です。でも、6等星より暗くなると、肉眼では見えなくなります。明るくて目立つ星から、肉眼では見えない暗い星まで、大きく明るさが変わるわけです。明るくなる周期も極大の時の明るさも、ばらつきがあるので、どの時期にどのくらいまで明るくなるかは、実際に観察してみないとわかりません。11月上旬に明るさが極大になると予想されています。
今月がミラを観測する好機です。
くじら座は、宵から深夜に南の空に見えます。現在のミラは、すでにかなり明るくなっていて、簡単に見つけられます。赤い色の星です。
下の図は、今日22時の南東の空です。

2019.11.03 21時 南東の空


くじら座があります。このくじらには、手があります。これは普通のクジラではなくて、化け物のクジラです。それがどういうものなのかは、以前ここに書きました。ギリシャ神話のお話です。いずれにしても、手の付け根のあたりに心臓があります。その位置にある星がミラです。

この星が、今、明るく見えるわけですね。

くじら座付近は明るい星が少ないところで、簡単に見つかる明るさの星になっています。
クジラの尻尾に「デネブカイトス」という星があります。この星が2.0等星なので、明るさを比べてください。ミラは今が一番明るくて、これから次第に暗くなっていきます。くじら座は来年2月いっぱいぐらいまで見えます。1ヶ月に1回ぐらい、くじら座を探して、デネブカイトスとミラの明るさを比べると、ミラがだんだん暗くなっていくのがわかります。

あまりなじみのないくじら座ですが、月に1回探すと、「よく知っている星座」に変わりそうですね。










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