水星の太陽面通過



今日の話は、太陽系の一番内側にある惑星、水星に関係する話です。
太陽系の惑星は8個ありますが、太陽に一番近いのが水星です。地球は太陽から3番目で、地球より内側にあるのは水星と金星です。内側にある水星と金星は、太陽と地球の間に入ることがあります。それを地球から見ると、太陽の前を水星や金星が通過することになります。

でも、水星や金星が太陽と地球の間に入ったとき、いつでも太陽の前を通過するわけではありませんよね?

水星・金星と地球の軌道は、微妙に傾いています。そのため、水星や金星が太陽と地球の間に入っても、地球から見ると太陽の上や下を通過してしまって、太陽の前を通過することは希です。今回、この話をするということは、近いうち、それが起こるわけです。明日11月11日の宵から、12日の未明にかけて、水星が太陽の前を通過します。

宵から未明にかけて・・・ ということは、夜ですよね。太陽は出ていません。

そうなんです。日本ではこの現象を見られません。南北アメリカやヨーロッパ、アフリカなど環大西洋地域で見られます。水星が太陽面に入るのは、日本時間の11日夜21時半ごろ、太陽面から出るのは、12日未明3時ごろになります。約5時間半にわたる長い現象です。

以前の水星太陽面通過の写真


最近は、日食なら日本から見られなくても、インターネット中継がありますよね。
今回は、どうなのでしょう?

あるかもしれません。 「水星 太陽面通過」で検索してみてください。
この現象が日本で見られたとしても、太陽を見るわけですから、危険です。太陽専用の特殊な望遠鏡がないと見られません。それだったら、インターネット中継で見た方が手軽です。誰もが安全に見られます。
水星の見かけの直径は、太陽の200分の1ほどで、非常に小さいものです。太陽の表面を小さな点がゆっくり動いていくだけで、ダイナミックな変化や目を引くようなシーンはありません。もし黒点があれば、紛れてしまうかもしれません。それでも見ておいたほうがいい、珍しい現象なです。次回見られるのは2032年11月です。13年先。それくらい、滅多に起こらない現象なのです。

水星は空気がないので、小さいですが、輪郭のはっきりした丸くて黒い点になります。それを見ると、水星の小ささ...というより、太陽の大きさが実感できると思います。










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