オリオン座



今は冬の真っ最中、一番寒い時期ですが、冬の代表的な星座と言えば、やはりオリオン座ですね。今回はオリオン座の話です。
オリオン座という名前はみなさん知っているし、すぐに見つけられると思いますが、どういう星座なのかはよく知らないかもしれません。今回はオリオン座がどういう星座で、どこが見所なのか、そんな話しをしたいと思います。
まず、下の図は今夜21時の南の空です。

1月26日 21時の南の空


オリオン座が真南にあります。真ん中に3つの星があって、その周りを4つの明るい星が取り囲んでいます。オリオンというのは、ギリシャ神話に出てくる勇者です。左手に盾を持ち、右手に棍棒を持って、敵に立ち向かっています。イラスト入りのオリオン座がこちら。


真ん中の3つの星は、オリオンの腰にあるベルトです。ベルトから短い剣をぶら下げています。剣の真ん中にあるのがオリオン大星雲です。オリオン大星雲を双眼鏡で見るときれいです。これは散光星雲と言って、星ではなくて、宇宙空間にあるガスが光ってます。ここに濃いガスが大量にあって、そのなかから新しい星が次々に生まれています。新しく生まれたばかりの星を見ることができます。天体望遠鏡でオリオン大星雲の中心を見ると、ガスが抜けて暗いところがあります。そこに4つの星が見えます。それがガスの中から生まれてきた新しい星です。星雲に隠れていて見えませんが、それ以外にもたくさんの新しい星があります。
遠い将来、オリオン大星雲のガスがなくなると、そこにたくさんの星が集まった散開星団ができているはずです。

オリオン座にはもう一つ、とても有名な天体があります。ウルトラマンで有名なM78星雲です。三つ星の左上にあります。M78星雲は実際に存在するのですが、これも星ではなく、ガスやチリの集まりで地面がありません。ウルトラマンといえども、地面のないところで生活するのは難しいと思います。ウルトラマンの故郷と言うには、あまり適さない天体です。
M78星雲は、肉眼では見えませんが、双眼鏡なら見えます。でも小さいので、見えていても、どれだかわからないかもしれません。天体望遠鏡で見れば、ぼんやりした小さな雲みたいに見えます。

他には、オリオン座と言えばベテルギウスですね。オリオン座の左上に輝く赤い1等星で、冬の大三角の一角になっています。以前にもお話ししましたが、ベテルギウスは大きな星で寿命末期にあります。太陽の10倍以上ある大きな星が死ぬときには、超新星爆発します。新星という名前ですが、新しい星ではなくて、星の最後の輝きなのです。ベテルギウスが超新星爆発すると、昼間でも見えるくらい明るく輝きます。逆に夜は、ベテルギウスがまぶしくて他の星が見えづらくなるほどです。
もしかすると、私たちが生きている間に、それを見られるかもしれません。ベテルギウスの話は、次回、さらに詳しくお話しします。










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